NOT TITLE
SSS 超短編集
別名 不消化ネタ帳

説明:これは、L.C統一世界観内で使うにも、しっくり統一世界観内で使用するにも、どうにも、料理できないような、面倒くさいネタだけど、そのまま葬ってしまうのももったいないので、ここで紹介しようというものです。

その一

「じゃあ、まっててね。」
それが彼女の声を聞いた最後だった。
僕はその日、彼女がバイトしている、量販店に来ていた。
「お勧めはなんかある?」
パソコン売り場に配属された彼女の知識は秋葉原の専門店の店員も尻尾をまいて逃げ出してしまうほどだった。
お勧めのパソコンはそこそこ値段も安くスペックもよかった。でも僕はそこで買う気にはならなかった。彼女には悪いが、この店は何となく嫌な気配が渦巻いて いた。
午後一から、閉店時間まで、彼女の説明で電化製品を眺めていった。
「ねえ、この後食事行こうよ。」
ぼくは、彼女を誘った。
「いいね。」
閉店時間間際に行ったためかかなり反応は良かった。
「じゃあ、店の入り口のところで待ってる。」
僕はそう言った。
「わかった。私も着替えてすぐに行く。」
そう言って彼女は駈け出そうとして立ち止まり振りかえった。
「じゃあ、待っててね。」
それから3時間たちとうに日付は変わっていたが彼女は来なかった。
あの言葉を最後に僕の前から彼女は消えてしまった。
今も彼女は帰ってこない。でも、僕はいつもあの場所で待ち続けている。

そして2年の歳月が過ぎた。ある日友人から、電話がかかってきた。遠い街で彼女が見つかったという。
これから迎えに行く。そう。あの約束を果たすために。
(ネットにあった怖い話を読みながらエロバカ親父の手にかかった少女という脳内設定で、その少女の彼氏の視点から起こしました。)


その二