L.C 第一章 のび
「やっと終わりましたね～。」
蒼藍星間邦王国藍蒼州、 藍蒼。その街の西のとなりに聳える藍蒼山。この山はおよそエベレストの1.2倍の高さでありまた形で言えば丘に白く細い棒のような本体が突き刺さっている ような感じである（エリンギをひっくり返した感じ）。
そしてこの山全体が一つの建物なのだ。
この国が王国たる由縁である、国王の居城、藍蒼山蒼天宮。それがこの山の正体だ。そしてこの宮の主たる 国王の名は遥夢、この物語の主人公である。
そして彼女がベランダに出て風に吹かれている。美しい彼女の髪の色は光の具合によって黒にも青にも見える色であった。彼女はその髪を一つに
束ねてポニ－テ－ルにしておりその美しい髪が風に揺れているのであった。
「相変わらず四月一日の頭は堅いですね。それにしても主上、何時涼子は帰って来るんでしょうか。」
声を掛けてきたのは書類用ファイルを抱えた男であった。
「まあ明後日には。ところで混神、頼んでおいたサ－バ－用のＯＳは？」
遥夢が振り返り、男に答えた。彼の名は混神この国の長相、国内の全ての官吏の頂点に立つ男である。
「あい、HALUNAver.Area Server Edition。」
HALUNAver.Area それは3C（Coil Cyber Company）という名の企業において創られる、OSである、HALUNAシリーズの最新バージョンである。
エディションの数は８。
「有難うございます。そういえば混神、正規さん見ませんでした？」
正規とは元々は正義の神と言われた、存在であり遥夢の夫である。
「ん～？相補なら花子に追いかけられてましたので、リンくっつけときましたのでもう直ぐ来ると思います けどね～。」
花子は、とある国の高官の娘であるがものすごいブスである。リンはコイルシスターズという長相直属の極 秘行動機関の一員である。
因にコイルシスターズの構成員は全員混神の妹だ。
「マスター。」
リンがいつものごとく滑り込んでくる。
「涼子様がぼろぼろでお帰りです。」
「はあ？」
リンが部屋の中央に涼子を寝かせる。
「なにがあった？」
「お帰りになるとともに倒れられて。給仕とともに確認しましたところ、外套の下がこの様にぼろぼろでして」
「襲われたな！」
その混神の言葉に遥夢が首を傾げる
「なぜですか？」
「リンバスからデータもらいんしゃいよ。」
「ですね。」
リンバスとは涼子のA.Iであり、A.Iとは、advanced cyber internet and computer control customize Assistant navigat infomation Interfaceの略称である。
「リンバス、データ転送を。」
『畏まりました。データ記号BAD3325524LNTAM907-1023転送開始します。』
リンバスから遥夢のV.C.Pに送られたデータには、その惑星上での涼子が立っている地点の座標点、い かなる地形であるか、風向き、風速、気温、湿度、
襲ってきた男の人数、襲われた方向、当時の涼子の体温、脳波、心拍数などの当時の詳細な情報が記されていた。
「…で、混神、長相として対処するか、涼子の夫として対処するか、それとも、我関せずとして対処を他の 者に任せるか。どうしますか？」
「このことは空官と宮内省、外務省に任せましょう。」
「混神はどうするのですか？」
「涼子が目を覚ますまで付いています。でリン、相補どうした、正規は。」
「相補は花子の餌になってました。」
－二日後－
「…？…何でここに？…しかも混神が何で居るの？…。」
「あなたがこうなるとこの様にあなたの看病をするのはいつものことではないですか。それより、傷は癒えましたか？」
涼子が起きるとベットの横に混神が突っ伏して寝ていた。そしてそこに遥夢が入ってきたのだ。
「毎度毎度夫婦らしいこと碌にしてないから、こういうときだけでも。だそうです。」
「ふっ…混神らしいと言えばそうなのかな。…でもさ、なんで、腰が痛くなるような寝相で寝るかな。ここで。」
「まあまあ、こうしてる間に27回も花子に押しかけられて逃げ回ってたんですよ。」
「そういうことなら仕方ないか。」
ベットの上で遥夢の持ってきたポタージュの入ったマグカップを片手に混神の頭を撫でながら微笑む涼子。
そして寝ている混神の横で同じく微笑む遥夢。その膝には小さめの土鍋の乗った御盆が置かれていた。
「父さんがこれを涼子に食べて欲しいそうです。」
そういって遥夢が、土鍋の蓋を開ける。そこには、おじやが入っていた。
「なんか、あのバルさんがこんな事するなんて信じられないな。」
涼子がつぶやき、遥夢が微笑みおじやをよそい始めた。
蒼藍王国の藍蒼市。この街は東西8000㌔、南北8000㌔の正方形に区画された大都市でビル街だけで も、24000000平方キロというもので、大変広大なものだ。
そしてその藍蒼市の第四十二番区、3C本社前。地上は樹木が覆い森と文明が共存した不思議な景観であり空から見ると崩壊した物質文明か
ら自然が回復していくかのように見える。だがしっかりと文明は存在し続けている。
「マスター宛の小包はうけとったから戻らなくては。…っと、またテロ用の爆弾か。でも普通に不発の ようだし。…一応確認しておきましょう」
自由に空間の裂け目を通り抜け、マスターである混神の命令を遂行するコイルシスターズ。だが彼女たちの 中で、混神からのお使いは必ず混神の秘書役のリンと決まっている。
『マスター、受け取った荷物の中に爆発物反応を検知しましたが、いかが致しましょう。』
『…ＺＺＺ。』
『マスター？』
『…スッパーン。』
小気味よい音がリンの耳に届く。実はいくら揺すってもおきない混神に業を煮やした涼子が手近に在ったハ リセン（パルスの忘れ物）で混神の頭を殴ったのだ。
『おきな。リンから電話来てるよ。』
『…ん～、あ～、ごめんごめん。で爆発物？焼滅しときな。』
焼滅：蓄積したエネルギーをすべて熱に変換し対象物にぶつけ、対象物を分子レベルにまで分解し、消滅す るこのときに必要とされる蓄積指数は最低でもＢ－
エネルギー蓄積指数：エネルギーがどれだけ蓄積されているかを指すもので、一番上がＳ+そこからＬ、 Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆの八・母記号、二・子記号の十六段階で一番下がＦ-。
普通の人間はどんなにがんばってもＥ－を超えることはまず無いが、気功師と呼ばれる人間はＤ+までなら蓄積できるが、神性の無い人間がＣ－以上蓄積すると その人間は爆死する。
また神性のあるものでも、逆行制力というものが無いと蓄積指数がＢ+を越えた時点で同じく爆死
する。リンは最大Ｓ-、遥夢がＳ++だ。
「かしこまりました。」
『それから七日まで出かけるからな。』
「でかける？」
『ああ、涼子が回復したことだし、緊急の仕事でな、主上から四人だけといわれてさ。』
「畏まりました。留守の間はお任せ下さいませ」
「鬼ぃ。」
「仕方なかろ。もともとあいつを連れてく予定無かったんだから。それに落ちる可能性も否定できない。」
混神が電話を切る。すでに遥夢の姿は無い。涼子は着替え終わっている。
「二人とも行きますよ。」
遥夢が入ってくる。
次回はHSMとの交差あり。
蒼藍星間邦王国藍蒼州、 藍蒼。その街の西のとなりに聳える藍蒼山。この山はおよそエベレストの1.2倍の高さでありまた形で言えば丘に白く細い棒のような本体が突き刺さっている ような感じである（エリンギをひっくり返した感じ）。
そしてこの山全体が一つの建物なのだ。
この国が王国たる由縁である、国王の居城、藍蒼山蒼天宮。それがこの山の正体だ。そしてこの宮の主たる 国王の名は遥夢、この物語の主人公である。
そして彼女がベランダに出て風に吹かれている。美しい彼女の髪の色は光の具合によって黒にも青にも見える色であった。彼女はその髪を一つに
束ねてポニ－テ－ルにしておりその美しい髪が風に揺れているのであった。
「相変わらず四月一日の頭は堅いですね。それにしても主上、何時涼子は帰って来るんでしょうか。」
声を掛けてきたのは書類用ファイルを抱えた男であった。
「まあ明後日には。ところで混神、頼んでおいたサ－バ－用のＯＳは？」
遥夢が振り返り、男に答えた。彼の名は混神この国の長相、国内の全ての官吏の頂点に立つ男である。
「あい、HALUNAver.Area Server Edition。」
HALUNAver.Area それは3C（Coil Cyber Company）という名の企業において創られる、OSである、HALUNAシリーズの最新バージョンである。
エディションの数は８。
「有難うございます。そういえば混神、正規さん見ませんでした？」
正規とは元々は正義の神と言われた、存在であり遥夢の夫である。
「ん～？相補なら花子に追いかけられてましたので、リンくっつけときましたのでもう直ぐ来ると思います けどね～。」
花子は、とある国の高官の娘であるがものすごいブスである。リンはコイルシスターズという長相直属の極 秘行動機関の一員である。
因にコイルシスターズの構成員は全員混神の妹だ。
「マスター。」
リンがいつものごとく滑り込んでくる。
「涼子様がぼろぼろでお帰りです。」
「はあ？」
リンが部屋の中央に涼子を寝かせる。
「なにがあった？」
「お帰りになるとともに倒れられて。給仕とともに確認しましたところ、外套の下がこの様にぼろぼろでして」
「襲われたな！」
その混神の言葉に遥夢が首を傾げる
「なぜですか？」
「リンバスからデータもらいんしゃいよ。」
「ですね。」
リンバスとは涼子のA.Iであり、A.Iとは、advanced cyber internet and computer control customize Assistant navigat infomation Interfaceの略称である。
「リンバス、データ転送を。」
『畏まりました。データ記号BAD3325524LNTAM907-1023転送開始します。』
リンバスから遥夢のV.C.Pに送られたデータには、その惑星上での涼子が立っている地点の座標点、い かなる地形であるか、風向き、風速、気温、湿度、
襲ってきた男の人数、襲われた方向、当時の涼子の体温、脳波、心拍数などの当時の詳細な情報が記されていた。
「…で、混神、長相として対処するか、涼子の夫として対処するか、それとも、我関せずとして対処を他の 者に任せるか。どうしますか？」
「このことは空官と宮内省、外務省に任せましょう。」
「混神はどうするのですか？」
「涼子が目を覚ますまで付いています。でリン、相補どうした、正規は。」
「相補は花子の餌になってました。」
－二日後－
「…？…何でここに？…しかも混神が何で居るの？…。」
「あなたがこうなるとこの様にあなたの看病をするのはいつものことではないですか。それより、傷は癒えましたか？」
涼子が起きるとベットの横に混神が突っ伏して寝ていた。そしてそこに遥夢が入ってきたのだ。
「毎度毎度夫婦らしいこと碌にしてないから、こういうときだけでも。だそうです。」
「ふっ…混神らしいと言えばそうなのかな。…でもさ、なんで、腰が痛くなるような寝相で寝るかな。ここで。」
「まあまあ、こうしてる間に27回も花子に押しかけられて逃げ回ってたんですよ。」
「そういうことなら仕方ないか。」
ベットの上で遥夢の持ってきたポタージュの入ったマグカップを片手に混神の頭を撫でながら微笑む涼子。
そして寝ている混神の横で同じく微笑む遥夢。その膝には小さめの土鍋の乗った御盆が置かれていた。
「父さんがこれを涼子に食べて欲しいそうです。」
そういって遥夢が、土鍋の蓋を開ける。そこには、おじやが入っていた。
「なんか、あのバルさんがこんな事するなんて信じられないな。」
涼子がつぶやき、遥夢が微笑みおじやをよそい始めた。
蒼藍王国の藍蒼市。この街は東西8000㌔、南北8000㌔の正方形に区画された大都市でビル街だけで も、24000000平方キロというもので、大変広大なものだ。
そしてその藍蒼市の第四十二番区、3C本社前。地上は樹木が覆い森と文明が共存した不思議な景観であり空から見ると崩壊した物質文明か
ら自然が回復していくかのように見える。だがしっかりと文明は存在し続けている。
「マスター宛の小包はうけとったから戻らなくては。…っと、またテロ用の爆弾か。でも普通に不発の ようだし。…一応確認しておきましょう」
自由に空間の裂け目を通り抜け、マスターである混神の命令を遂行するコイルシスターズ。だが彼女たちの 中で、混神からのお使いは必ず混神の秘書役のリンと決まっている。
『マスター、受け取った荷物の中に爆発物反応を検知しましたが、いかが致しましょう。』
『…ＺＺＺ。』
『マスター？』
『…スッパーン。』
小気味よい音がリンの耳に届く。実はいくら揺すってもおきない混神に業を煮やした涼子が手近に在ったハ リセン（パルスの忘れ物）で混神の頭を殴ったのだ。
『おきな。リンから電話来てるよ。』
『…ん～、あ～、ごめんごめん。で爆発物？焼滅しときな。』
焼滅：蓄積したエネルギーをすべて熱に変換し対象物にぶつけ、対象物を分子レベルにまで分解し、消滅す るこのときに必要とされる蓄積指数は最低でもＢ－
エネルギー蓄積指数：エネルギーがどれだけ蓄積されているかを指すもので、一番上がＳ+そこからＬ、 Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆの八・母記号、二・子記号の十六段階で一番下がＦ-。
普通の人間はどんなにがんばってもＥ－を超えることはまず無いが、気功師と呼ばれる人間はＤ+までなら蓄積できるが、神性の無い人間がＣ－以上蓄積すると その人間は爆死する。
また神性のあるものでも、逆行制力というものが無いと蓄積指数がＢ+を越えた時点で同じく爆死
する。リンは最大Ｓ-、遥夢がＳ++だ。
「かしこまりました。」
『それから七日まで出かけるからな。』
「でかける？」
『ああ、涼子が回復したことだし、緊急の仕事でな、主上から四人だけといわれてさ。』
「畏まりました。留守の間はお任せ下さいませ」
「鬼ぃ。」
「仕方なかろ。もともとあいつを連れてく予定無かったんだから。それに落ちる可能性も否定できない。」
混神が電話を切る。すでに遥夢の姿は無い。涼子は着替え終わっている。
「二人とも行きますよ。」
遥夢が入ってくる。
次回はHSMとの交差あり。
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