L.C第48章(第1期最終章) 他愛もない会話

「やおー。」
コイルハウスを訪れた凜。
「なーんで主上って、感覚が庶民チックなんだろう。」
「ほっといてください。庶民離れして、変な法案を作成するよりはましなはずです。」
混神と遥夢の口論が聞こえる。
「それにしてもさ、綾女さんのお祖父さんとうちらのお祖母様がご兄弟で、その綾女さんの旦那のおじさんがリン坊のお姉さんの旦那のお兄さんとは、リン坊が 王族とはね。」
「ちょっと、それどういう事?」
「どうもこうも言ったとおりさね。第16代長相磯崎龍一朗が孫娘、磯崎凜くん?」
「それはほっといてよ。…でさ、みんなで海行かない?義従姉が民宿やってるの。」
凜が吠える。
「団体さんOK?」
「え?」
「久方ぶりにシスターズ全員で楽しみたいからさ。」
「私も会いたいからOKしちゃう。で…何名様?」
「総計で41名+凜坊のとこ」
「了解。」

約束の日の信濃本郷駅
待ち合わせに適さない駅である。
「本気もって、この駅は待ち合わせに適さないんだよね~。構造からして。」
「まあ、みんなそろったことだし。」
長京電鉄 ルーラ発ウラジオストク、新潟、湯田中経由長京行き快速特急
長 京電鉄線はLTR、蒼藍王国鉄道との協定に基づき、地球に21世紀の時点で存在していた、全ての私鉄線と、その路線が有していた廃線、その座標延長線上に 存在する、日本連邦及び蒼藍王国マーライヤーナ州の様々な、惑星に路線を延ばしており、JRや前述の2社とと棲み分けが進んでいる。そのうち、本線は、蒼 藍王国の惑星バイルから、州都ルーラ、連邦のマドリード、パリ、ベルリン、コペンハーゲン、オスロ、ヘルシンキ、モスクワ、北京、ウラジオストク、札幌、 青森、 新潟、湯田中、須坂を経由して、長京に至る北回線と、バイル~マドリード間を北回線と同じくし、マドリードからニース、モナコ、ベネツィア、アテネ、イス タ ンブール、バグダッド、ニューデリー、バンコク、ハノイ、香港、上海、北京、平壌、ソウル、佐世保、博多、大分、高松、大阪、名古屋、大船、高崎を経由す る南回線が存在する。ただし、この南回線はベネツィアにおける、アクアアルタに対する対策としてアドリア海バイパスというベネツィアをはしる地上線の、上 空20mを走る高架線が存在する(とはいえ、この高架線をあまり使用することはなく、アクアアルタ期間中も地上線を絶賛進行中である)。
遥夢たちを乗せた、列車は、わずか3分ほどで、長京駅に到着した。
「どうするの?」
「えっとね、目的地しか知らないの。行き方分らないの。」
「場所は?」
「紅聖郡御崎町だって。」
「じゃあ、任せとけ。」
混神がそう言って、歩き出す。
長京発蒼明、アルバスタリオル、カルバス経由フローラ行き特別特急ルナハ線ルナハ3756号
数時間後
皐蒼国紅蒼都蒼明区蒼明駅
「ここから、LTRと神応鉄道が共同開発した、高速鉄道を利用する。の前に、本日は一泊だね。」
「仕方ないねぇ。」
で、翌日
神応鉄道皐蒼麒高速新幹線しんおう202号皐有空港行き
山艦島駅
「ここで、神蒼麒線に乗り換える。」
数分後
乗り換えてから二駅目で別の路線に乗り換える。
「このまま、南御崎駅まで、このまま。」
「駅に迎えに来てくれるって。」
御崎町
「おす。」
「これが義従姉。」
「ども。」
その後、部屋に荷物を置いた一行は、早速海に飛び出した。
「あの人、水着変えたねぇ。」
と混神があきれ顔でつぶやくと、
「僕も変えたんだけど。」
と涼子。
「配色は変わってないな。…トップのデザインが変わったんか。」
確 かに、今までの遥夢の水着は、首の後ろでひもを結ぶタイプだったのだが、今回はなんとなく、一本の帯と言われてもうなずけるような、スポーツビキニと言わ れる類の水着であると言える。リンは、こちらは、元々布の面積が多い上に、側面に刻まれた紋章とパレオに刻まれた紋章があまりにも複雑で、目が回りそうで ある。涼子は、落着いた、青系の色でまとめられた、競泳水着を着ている。正規は、あれは、一体何を勘違いしているのやら、未だに、真っ赤っかのビキニパン ツをはいている。これが似合ってしまうのだから、またたちが悪い。混神はと言うと、一般的なトランクスタイプである。ここで、周りに目を向けてみよう。凜 は、長い黒髪が映える、白の競泳水着。アヤメとスミレの世界最大の財閥当主姉妹は、おそろいの背中が大きく開いた、ワンピースタイプの水着である。
「そう言えば、スーさんは?呼んだんでしょ?」
「どうしても終らせたい研究があって、6時間ぐらい遅れ…あれは迷うから仕方ないか。」
「何が?」
「蒼明に着いたには着いらしい。だが、ここに来るには、5種類の系統があるんだわ。…」
混神の代わりに説明しよう。
蒼 明駅から、遥夢達が居る、尾崎町へ来るには、最終的には一本の路線しかないわけだが、そこへ向かうのに臨空快速、国内線旅客機、空港特急、市街地補完路 線、二島間連絡路線を利用する系統。皐蒼麒高速新幹線、国内線旅客機、空港特急、市街地補完路線、二島間連絡路線を利用する系統。皐蒼麒高速新幹線、神蒼 麒線、二島間連絡路線を利用する系統。神蒼麒線、二島間連絡路線を利用する系統。神蒼麒線、市街地補完路線、二島間連絡路線を利用する系統。の五種類があ る。このうち、遥夢達が利用したのは、三つ目の皐蒼麒高速新幹線、神蒼麒線、二島間連絡路線を利用する系統である。一番、わかりやすく、早く、確実なの が、この系統なのだ。
『蒼明駅に着きました。』
「では、一番、わかりやすく、早く、安全で確実な方法をご案内します。」
『え?』
「まず、5階にある、高速新幹線専用ホームにあがってください。そしたら、行き先が、山艦島、麒冥市、皐麒冥国際空港のいずれかになっている列車に乗って ください。そして、山艦島で、下りてください。」
2時間半後
「山艦島に着いたら、一階の一番線ホームに入ってきた電車に乗ってください。その後、山艦島から二つ目の南崎駅で、双崎線に乗り換えてください。双崎線の 終点でお待ちしています。」
そう言って電話を切った後、
「30分ぐらいしたら、迎え行ってくる。」
25分後 尾崎駅
「オス。」
「…は?」
「空港の駅で会いまして。」
混神が、驚いたわけは、単純である。来ると思っていなかった者が来ただけのことなのだから。
『神応鉄道神蒼麒線に乗り入れる路線のダイヤの乱れの影響で、同社、緊急ダイヤの発動を宣言。』
「へ。」
混神が、ニュースを見て、毒づく。
久しぶりに旧友に会い、表情はかなり柔らかい。

「なあ、この波どうにかならないのか?」
「あ~よくよく考えたら、ここ、航路上だから。国内線の。」
「あ?」
正規が文句をたれる。
「ここから、南に20kmぐらいいったところにあれがあるから。」
「島央?」
「そう。」
崎丘岳にこすりそうな高度で、飛んでいく、航空機の風が、波を起こしていく。
「そんなんどうでもいいよ~」
凜がはしゃぐがその夜。
「つかれた~。」
そう言って、大広間でだれる。
「お風呂行こう?」
「あ~シスターズ整列~。シスターズまとめては言ったら、あぶれる者が出るから、シスターズも合わせて、ここにいる女性陣の皆様は、入る組み合わせをくじ で。」
「「いつの間に?」」
「はよひけ。辿るのめんどいから。」
「阿弥陀かい。」
正規が突っ込むがそれを無視して、
「まあ、これは冗談で、要は、オマケも含めて100本ぐらい造ったから持ってんのがつらいわけ。」
「置けばいいじゃないですか。」
「いや、力場の問題が。」
「あ~力を使って、形成するんだ。つまり、手から離れたら、力場が不安定になって、くじが出来ないとそう言う。」
涼子が説明の補足をする。
10人ぐらいで、一気にくじを引く
「まあ、ズルできないようにしてたから。まんべんなく成ったよ。」
「大概ズルするのはシスターズですから。」
「リンちゃんひどいよ?」
リンもコイルシスターズの一員であり、なおかつリーダー扱いのはずなのだが、実質的には、別扱いを受けている。
「マスター、私が、一番最後か最初になるように工作しましたね。」
「おそらく、お前に飛んでもらわねばならないときが来るかもしれない。そのためだ。それから、おいタコ。」
冬樹に向かって言う混神。
「覗くなよ?」
「なんでだよ。」
「ん?………あ。出やがった。」
「何が出やがった?」
「馬鹿か、あほ。」
「は?」
「王国を支配せしめんと目論む愚かな考えを持つ者が、徒党を組み、主上を狙っています。いくら、主上といえど、対応が難しいでしょう。ですから、整流砲を 打ち込むのさ。リンの。」
「それか集団滅殺でも良いんじゃない?ほら、あの焼滅刑の頭部燃焼を、体組織乾燥粉末化に変更しただけの。」

海辺の温線として、周辺から訪れる観光客が後を絶たない、尾崎町。その旅館の一つに滞在している一行。
「オイ。混神。王国軍の、あの言葉は、どういう事が元で?」
「試合が終ったらな。」
次の試合が始まった。
「今 界で我々が、まだ、高校と呼ばれる教育機関に所属していたときのことだ。西暦25,652,017年、青歴2年6月30日、とある、惑星間戦闘において今 現在でも、史上最大の死傷者が発生した、悲劇が発生した。たった一度の戦闘によって、一体何人もの人々が傷つき、命を落としたと思う?」
「それは。」
「王 国軍側死者653兆3,652億3,260万625名、負傷者845兆3,268億32万45名。相手側死者452兆65万23名、負傷者565兆32 名。一般市民中死者65京9,832兆6,932億635万6,589名、負傷者4,562兆2,652億9,568万2,351名という、近代宇宙空 間戦闘史上類を見ない大量死を引き起こした。これを主上は悔やみ、王位を辞し次に能力が高かった、遥香殿下に王位の譲位を考えた。然し、国はこれを許さな かっ た。当時の長相第34代長相リフィルは、彼の忘れ形見とも、彼の唯一の善政とも言われる、案を、国王に提出した。『今後、一切、蒼藍王国軍は戦闘に置い て、自 軍、敵軍、一般のいずれにおいても、一人の死者、負傷者も出すことのない。』それを、改正の憲法に盛り込んだ。それが、現代まで続いている。」
混神の言葉が終ったとき、その場を、ピンポン球がはねる音だけが支配していた。卓球の試合をしていた、涼子と真朱彌が、驚いて、彼の方向を向いたままの状 態で固まるほど混神の語勢は強かったようだ。
「然し、この出来事が、有る一人の愚かな人間のちょっとした、しかも、相当に適当な機械操作に起因するミスが元だとしたら?」
「どういう事ですか?」
「と ある、軍事マニアが、この戦闘時に王国軍に紛れ込んだ。そのとき、自らの知識を過信したそのマニアは当時の王国軍最高機密のその軍艦に潜り込み、操作を 誤った。それがもとで当時の最高出力エンジンが暴走。その場にいた、艦隊だけではなく、周辺の銀河も大量に消滅した。然し、そのマニアは、姿をくらまし た。悲劇を引き起こした、大犯罪者は。」
「………………………………………そんな。」
ラケットを取り落とす涼子。
「真朱彌さんはご存じでしたよね。あの悲劇をリアルタイムで見ていた者の一人でしょうから。」
「え?」
「悲劇が起きたのは、天の川系第36銀河群の第20号銀河だからな。真朱彌さんのいた、第1号銀河から見て、僅か45pcだから。」
「そうですね。」
 の同意を聞き、混神が立ち上がる。
「どったん?」
「やっぱ、カラオケでしょ温線来たからには。」
リンと混神と遥夢を残し、盛大にこける一同であった。



FO,FEよりかぞえて4年と数ヶ月の間、おつきあいいただき、誠にありがとうございます。L.Cは、ひとまず、ここで一区切り。この下のNEXTはトッ プページにリンクされています。
では、この温線旅行に参加した登場人物の名を順番は夢遥が思い出した順に。
歴 代王国主師11名(初代:トゥーラル、レイ、リンバス、ベルフェスト 2代目:バル、覇月 3代目:遥夢、正規、混神、リン、涼子、真朱彌 )、コイルシ スターズ 28名(実質29名)(ロム、リエ、ロゴ、リルゥ、ミトイ、クコ、トン、ヌケ、クスハ、ホン/ビズ、チェス、ピュア、ジャグ、パルス、タイク、アン、ア ル、エル、(リン)、リムゥ、十六夜、スロー、レプ、ジャンク、パレス、ドゥ、クム、ミライ、ラファエル)、オルヴェウス、磯崎リン、綾 小路綾女、綾小路菫、綾小路龍騎、御山宏美、御山判夢、巫剣玄蔵、巫剣里奈、巫剣明美、瑠美成美、晶、閃河璃茶、都加賀見翔太、宮川冬樹、晴海夜癒雨、春 本千雨、春本時雨、ミリ
以上59名うち男性10名
異様に女性が多い旅行でした。
彼らの新しい歴史がもうすぐ始まりますよ?
それでは失礼します。 
3C.NET総合管理責任者
夢遥昆酢

おつきあい頂いた方
てっちゃん同盟管理人 Hotaka様、
トドヅレスランバー管理人 ぐりもあ冥様、
軍兎(いくさうさぎ)管理人 麒麟様、
戯言部屋管理人 時雨様、
失変カフェ管理人及び、各種同盟主催者 陽ノ下光一様、
ミツアキ様、
そして、この物語をお読みくださった貴方。
本当にありがとうございました。

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