そのころ王国の中でも一、二を争う量の寺社を持つカルティナのとある教会にて一人の若い女性のプリーストが熱心に祈りをささげていた。
「すいません、もう教会は閉めなければならない時間なんです。」
だが入ってきた男はどんどん彼女に近づいてくる。そして遂に彼女に襲い掛かり、白い首筋に歯を付きたてようとしていた。
「強姦はいけないよ。それにそこまでして血が欲しいなら病院に行かなきゃ。」
そんな声が聞こえた。悲鳴を聞いて入ってきた遥夢たちはそこに不思議な光景を見た。
既に歯を突き立てられている筈のプリーストが逆に男を組み伏せ腕をねじ上げていた。
「不知火、感度上げてくれます?不知火?」
だが遥夢がかけているゴーグル式ディスプレイには、滝のように同じ文字列が落ちていくだけで、それ以外に何の反応も無い。The system
down for the
days excess that can use OS. の文字が。
『3Cシークレットサーバよりのお知らせ、お待たせいたしました。只今より、HALUNAver.LuckyStar
UltimatEdition配信を開始いたします。』
その文字がいきなり現れ驚くがすぐにいつもの画面に戻り安心した。
「不知火、感度上げてくれます?」
その言葉に今度は、すぐに反応した。
相手の顔が鮮明になるのと同時に十字架の上に誰かがいる。あの長相が