L.C-S第11章 よくもまあ、飽きもせずに

とはいうものの飽きてます。だからこの章、短いです。ネタ切れで、無理につなぎたくもない。

精霊界の中心にそびえ立つ、バベルの塔…基、界外交務省本庁舎
「討ち入りじゃ。討ち入りじゃ~。」
秋子が、声高に廊下を歩く。後ろに続くは、魔導界官首と、想像界導首。そして、下っ端官僚と高名な医者。
そうこうしているうちに、次官室の前に付いてしまった。さすがに討ち入りとは言わない。
すでに一行の後ろには精霊やら、妖精やら、界外交務省の職員が、ぎゅうぎゅうになって、一行を見守っていた
トントン!
最初は優しくたたいていたが、なかなか秘書官が出てこない。次第にいらつく真朱彌。そして、
ドガン!
ドアを蹴破ってしまった。
「「「おお~」」」
職員達が歓声を上げる。聖域へのドアがいとも容易く蹴破られた。
蹴破った本人は一言、
「こっちは用が有るんや、とっとと開けんか。」
と言い放ち、席を立とうともしなかった秘書を見下ろしにらみつける。ちらりと、横目で見上げた秘書は一瞬視線を元に戻すが、すぐに顔を上げ、真朱彌を見て 後ずさりする。
いつも、つんつんして、ほかの職員を見下していた秘書官の痴態に職員達は大笑いした。
「次官!」
「ん~?何だね?君たちは。」
「今年度の第25回多界間協議議事録用の図表、至急、想像界に送ってください。」
まさに狸というほかない中年親父がそこにいた。歩く度にブヒブヒと音がするのではないかと思えるような容姿を見て、真朱彌は投薬衝動に駆られた。
「ん~?ああ~いつもあの絵を描いてくれている子かぁ。君の絵はいつも額縁に入れてコレクションしてるよ。そういえば、そんな題名の絵もあったなぁ。どう したんだい?」
ベキョ!
「やっちまった。」
その場にいた職員全員の気持ちを、辰哉が代弁した。
「な、何をするのかね。一介の官僚が、いきなり入ってきて、訳の分からないことを言って、言うに困って、この次官である私を殴り飛ばすとは。き、君のよう なやつは‥ギャ!?」
リンが思い切り、次官の足を踏みつけた。予測できなかった行動に言葉を失う一同その後、なにやらしゃべり出すリン。
「それにしてもハイヒールで、脛…お、おい。骨折どこの騒ぎじゃねえぞ。脛骨3分割だ。誰か医者呼べ。」
「医者ならココにおるで?」
皆真朱彌が正規の医師であることを忘れていた。
「まあ、自業自得やし、リンさんのなんかが終わるまで、待ってても別に罰はあたらんて。」
そのうち、トゥーラルが、部屋の入り口からのぞき込む職員達に精霊語で何かを言うと、職員は一斉にどこかへ行ってしまった。
「ほれ、大阪のに魔界の男の方、この狸を下の布一枚になるまで服をむしってしまえ。それから、大阪の、動きを封じる薬を何本でも構わんからうて。」
このことばに、大喜びで、薬の準備をする真朱彌と嬉々として、次官のスーツを破く基縫い目をほどく辰哉。
そのうち何人もの職員が、戻ってきた。
「リン、傷口を結界で塞いでおけ。そして退け。」
おとなしくよけるリン。
そして、職員sが、次官のからだに落書きしていく。
数十分後建物の外で、
「「ばんざ~い。ばんざ~い。」」
秋子が胴上げされていた。
「あ~あ。あいつ多分こっちにたどり着いたとたんぶっ倒れますよ。」
「なんでや?」
「なれてませんから。」
納得する一同。
「そうじゃ。皆の衆、ちと聞くが、ここいらで薦めの酒蔵はないかのう。土産を探しておるのじゃ。」
「それなら…。」
職員の一人が、場所を説明しナビゲーションファイルをくれた。
紹介された酒蔵に着き、ドアを開けるリン。
「いらっさ~い。」
気の抜けた挨拶とともに子鬼のような風体の種族の男が現れた。
「かわいい~。」
真朱彌が歓声を上げる。
「うー。まだくらくらするぜ。」
秋子がふらふらと歩いている。
ゴン!
壁にぶつかった。
「大阪のはもうほっておくしかないのかのう。」
トゥーラルはため息をついて、こう言った。
「大阪の、今日は、想像界に戻るのじゃから、締めぐらいきちんとせんか。」
すると真朱彌は、
「私はいつでも大丈夫ですよ。」
と返す。
「ほな、わたしは先に選んでますね。」

神宮総合国際空港
「じゃな~。」
秋子と辰哉が、魔界に帰って行った。
また忙しいときが始まる。

Next Chapter