L.C-S 第33章湯船でバトル 湯船でレース

「ふぅ〜。雪見酒や。」
真朱彌がほほを赤らめて、ため息をつく。
「こんな時は、氷水縛りでバトルも良いんじゃ無いですか?」
「お、ええなあ。トリプルでやるか?」
周りを見回す混神と真朱彌。
「第五世代までな。」
「うち471と478。」
「はやいなぁ。ほんなら私はこれとこれや。」
その後口々に使う物を示す一同。
「ところでな、さっきからあっこに浮いてるいがぐりのような物はなんなんや?」
真朱彌が指したのはリンの頭上に浮いている真っ黒な、簡単に言えば、鬼太郎に出てくるバックベアードの目無しバージョンのような物だ。
「あれは、リンが作ったサーチアンテナサテライトです。」
くるくると回転している、物体の下では、
暗く深い色調になった瞳の奥で、膨大な情報を処理するリンが、ゆっくりと、お湯の上に出ている体の周りに衣服を構築し出していた。
「ん?」
真朱彌が、リンを中心に広がる、波紋に気づいたとき、リンの瞳は鮮やかなエメラルドカラーとガーネットカラーに染まっていた。
いつもと違う、真っ青な衣に身を包んだリンは、湯船の床を蹴り、まるで、足りない衣の代わりにお湯をまとうかのように服を構築し、
上空に浮かぶ、球体にぶら下がった。
「…これで、リンがどの方向にどれくらいの速度で、…アーマーつけるんかい。」
リンの体を覆うように機械部品が現れる。
そして、南東の方角に向かいゆっくりと動き出す。
「おまえはいつまで、ビキニ海パンなんだよ。」
「遥夢が来るまで。」
「遥夢なら、多分英雄の話聞いてるから当分来ないよ。」
涼子が言うと、しょんぼりとした様子で、トランクスになる正規。
苦笑する一同。
さて、バトルの組み合わせは混神、涼子、正規と摂津姉妹、辰也の組み合わせ。
ここまできて、『第五世代』や、『No.471,No.478』を見てぴんと来る人はまあ、少ないだろう。
しかしさらに上で水、氷縛り。トリプルバトルという言 葉がある。
これなら解る人も居るだろう。解らない人のために言うと第五世代まで。
つまり図鑑ナンバー1から646番のうち水タイプ、もしくは氷タイプに属する個体を使い、3対3で、ポケモンバトルをしようと言うことだ。
ここで、それぞれ使用ポケモンと、オペレーターを紹介しよう。
混神、使用ポケモン グレイシア、ユキメノコ オペレーター リア。
涼子、使用ポケモン サメハダー、ダイケンキ オペレーター 涼子。
正規、使用ポケモン キングドラ、ユキノオー オペレーター 正規。
真朱彌、使用ポケモン アバゴーラ、バイバニラ オペレーター 真朱彌。
彌蘭陀、使用ポケモン シャワーズ、グレイシア オペレーター 彌蘭陀。
辰也、使用ポケモン スターミー、イノムー オペレーター 辰也。
「僕がどうかしましたか?」
そう言って、正規に飛びつく遥夢。
「………おお。ちょうどリンも戻ってきたから、組変えなー。」
混神の一言で、遥夢、正規、ヴェーリア。混神、涼子、リン。真朱彌、彌蘭陀、ヴェルフェスト。3英雄。
辰也、秋子、覇月。如月姉妹、なんか知らんが露天風呂にいた、ポケモン好きのおばさん。
の6チームに分かれた。対戦はまず、遥夢チーム対辰也チーム。3英雄チーム対如月姉妹チーム。
混神チーム対真朱彌チームで行われる。
初戦は3英雄と、如月姉妹チームの戦い。
さすがに、現在までつづく強大な王国を築きあげた、その指揮能力は今もなお健在であり、一人のフリークと、素人相手にまさに、英雄の名に恥じぬ戦いを繰り 広げた。
混神チームと真朱彌チームは、はっきり言って、非常に長い長期戦になった。師弟対決となった混神と真朱彌。
真朱彌の育成論に従って育てられた4体のぶつかり合いは非常に見応えがあった。だが、最後の最後で、伏兵の涼子の一撃で、3対2の辛勝となった混神チーム であった。
混神とリンの選んだ個体は、瀕死状態。涼子のサメハダーが瀕死。ダイケンキの体力表示が赤の状態での勝利だった。
[今後の予定展開上、摂津姉妹には負けていただきました。ですが、管理人の実力や知識等を考えると姉妹のモデルである麒麟氏には大差で負けることが明白で す。
遥夢を登場させるまで、実際に混神が負ける展開を考えていました。
が、摂津姉妹がセコンドに付いた、混神チームと、秋子と3英雄がセコンドに付いた遥夢チームの戦いを描きたいと思いこの様な展開になっています。
さて、どのような展開になるのかどうぞお楽しみに。]

「は〜なかなかの激戦でしたなぁ。」
「まさか、姉御に勝てるとは思わなかった。」
事実毎回戦うたびに混神と涼子はポケモンバトルでは真朱彌にかなわないと言っている。
だが、これがA.I-BTになると話が変わってくる。
ダンダ、ピンガラは、基底コードが同じため常に連携を取る。
これはAPについても同じであり、片方のAPが0になると、もう片方も0になる。
さらに、半自律タイプであるため、この様なタイプの戦闘では、どうしても真朱彌の指示を必要としている。これはリンバスや、プルにも言える。
対するリアや、不知火など混神や遥夢、リンのA.Iは、完全自立型なので指示待ちや、指示によるタイムラグが存在しない。そのため隙が無いのでサイバーバ トルを得意としている。
「いらっしゃいこの野郎。呑む?」
「え?」
「シークワーサーサイダー。」
黄色みがかかった白い液体が満たされた緑の瓶に緑色の皮を持つ柑橘類が描かれたラベルが貼られている。
「好きだなぁ。」
一人コントに対して、涼子がオチをつけようとしているとき、秋子はというと、
「///////!」
真っ赤っかになっていた。もちろんのぼせているわけでは無い。
主師の常識派である、正規や真朱彌でさえ、雰囲気に呑まれ、混浴には何の疑問も無くなっている。
しかし、あまりこういうことに接する機会が無い秋子や辰也にはやはり刺激が強いようで、羞恥心から赤くなっているようだ。
「できた。」
そう言って、耐水紙に描いた絵を見せる混神。
「なにこれ?」
「うちが思うみんながハンターだった際の装備。」
「なんであんたは初期装備なのよ。」
これに対して混神は頭をかきながら、
「うちは、描いてないつもりなんだけどな。」
という。
「……あ。これ正規。」
「じゃあ、このペッコ装備は?」
「これ?これは…ん!」
混神が指さした先にいたのは、覇月だった。
「私は?」
「これ。」
見たところいつもの涼子のコスプレと変わらない。
遥夢は、ボウガンを好む。リンは、ガンランスを好み、涼子は太刀を好む。混神は双剣を好み、正規はハンマーを好む。
まあ、遥夢は主に大剣を使っているのだがこれは手になじんだ武器が大剣であり、ゲーム上でも手になじんだ武器の方が勝手がわかりやすいという理由からだっ た。
ただし、武器や攻撃法としては遠距離から砲撃による手段を好むので、使用数としては、ほぼ同じぐらいである。
正規は、鈍器や、素手でぼこぼこ殴る戦法を好むのでハンマーを選んだようだ。
リンは、砲撃と槍術に長けており普段から両方を使いこなしているので、その両方に関連する名の系統のこの武器を好むようである。
涼子は言わずもがな、時代劇マニアの殺陣好きであり、取り囲む相手を巨大な刀で切り捨てるのが主な戦闘スタイルである。
また、普段から、太刀の扱いには慣れておりこれは遥夢と同じ理由だろう。
混神は、単に作者が今のところ双剣が使いやすいと感じているのでそれを反映しただけの話。
混神の戦闘スタイルは正規とリンと涼子の折衷的な物であり、分厚い本の角で、相手を殴る近接戦や、何本ものメスを打ち出す砲撃。
斬艦刀という分厚い刀を分回す戦闘スタイルを主に取っている。
まあ、ほとんどの場合リンが側に居て戦闘を代替しているから滅多に描写しないのだが。
なお、この章を描いている時点で、作者に装備に関する知識がほとんど無いので、誰がどの装備なのかは省略知識が付いた時点でその章で掘り返すことにする。

「いってえぇぇぇ〜〜!」
旅館全体に響き渡るかと思われる大声を上げる正規。
「こらー。今何時だと思ってるんだ〜。」
怒鳴り込んだのは、ヴェーリア。その後ろには、正規の声で飛び起きた面々がいる。
とはいえ旅館全体が起きたのでは無く、叫ぶ前に防音結界を部屋に張っていたようで、
起きたのはそのシステム上外すことのできないサーヴァルインカムをつけていた今回の旅行の参加者一行である。
「あ…起こし…たのは申し訳ないんですが、これ、どうにかして下さい。」
灯りがつけられ見下ろす一同に何かを要求している正規。
涼子が、布団を剥ぐと、正規の首筋にかみついている遥夢がいた。
時間は3時5分。遥夢は21時から3時までは何があろうと絶対に起きないほど爆睡し必ず3時には起きる。
が、たまに寝ぼけて10分ほど起き抜けに謎な行動を起こすことがある。
今回も寝ぼけて、かみついたようだ。
「いや〜弩天然はおいしいなぁ。」
「おいしかねぇよ。おいしくねえよ。めちゃくちゃ痛かったんだからな。」
確かに正規の首筋には赤い血の玉が2つぷっくりと浮かんでいる。
「遥夢、ちょっと歯見せて。」
「ん?」
遥夢が口を開ける。
「やっぱり、とがってる。」
「〜〜。ほうほ。ほうほ。はひほひはいんへふは。(涼子、涼子、なにが見たいんですか?)ー。
ひはいへふ。ほんはひふひをほひあえはいえふあはい(痛いです。そんなに口をこじ開けないで下さい。)。」
涼子に口の両側を押し広げられているので閉じられない遥夢がうめく。
「それ犬歯というか、牙だよな。」
「いはいえふ。はひあひあはんえふは?(痛いです。なにが牙なんですか?)」
「涼子。もう放せ。」
気づいてなかったのか、慌てた様子で涼子が手を放す。
「くちさけ女になったらどうしてくれるんですか。まあ、なりはしませんが。」
たいてい一行がずっこける原因は遥夢の天然発言か、混神の確信犯的御馬鹿おお呆け発言である。
「……ああ。最近林檎丸かじりしてたからですかね。伸びちゃったみたいですね。」
いやはや。林檎を丸かじりするだけでは犬歯は伸びないと思うのだが。
「…というのは冗談でして、伸びた理由はよくわかんないんです。昨日は普通でしたし。」
遥夢はよく、正規の寝ているところに潜り込む。
正規は20〜22時の間に寝ることが多いので、遥夢の潜り込みに気づかないときもある。
「眠気冷めちゃった。」
何故か判らないが主師+彌蘭陀&辰也という形で残った。
「一狩りして、風呂行こうぜー。」
「良いねぇ。何狩る?言っとくけど私は決めないよ。」
「…その前に布陣を。」
「うちと涼子と、リンと墨さんで一チーム。主上と正規と姉御達で一チームはい決まり。
よしうちら―行こう。」
「―?私対応装備持ってたっけ?」
数分後。
「混神、そっち行ったそっち。」
「こら。リン。撃つ方向考えろ!」
「正規さんどいて下さい。」
実に賑やかな狩りとなった。
「…そういや大人数でいけるんだし8人で一気に行きません?」
「ええなぁ。」
この後回復役を操作ミスで飲み干した混神が自棄でつっこみ、
敵に止めをさし、それを報告したため、はぎ取っていた一同は固まらざるをえなかった。
というのも8人で挑むと言うからには相当巨大かつ相当強力で、
手強いはずなのだが、それをいとも簡単にとどめを刺すとはということなのだろう。
まあ、実際には相当数弱っていたところに、
同じく危険な状態だった混神が完全回復しすぎて突っ込んだと言うだけなのだが。

次章はちょっと別のお話。
その次の章は、もうちょっとこの章の話をつなげて北浜に戻ります。

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