「不知火♪!」
「コイル。」
「アンドリグゥ。」
「「Is Cyber Talk」」
「「With リン酸パレット」」
「「+春の夢気まぐれな王」」
藍蒼の高層ビル群の中にある周りよりも太めのビル。
世界最大のネットワークを持つ巨大報道機関FIBの本社である。
今、とある生放送の人気番組がもう一つの人気番組とコラボしている。
「皆様いかがおし。…。噛んだ。」
「解ったから続けなさいよ。」
混神と涼子の夫婦漫才はここでも健在だ。
この、「不知火・コイル&リグゥ Is Cyber Talk With リン酸パレット」は、はっきり言って、存在自体が放送事故な番組である。
が、何故か30%とという高視聴率をたたき出している。
理由はおそらく、あっけらかんとした番組スタイルが受けているのだろう。
一言で言えば、スタジオで展開する水○どう○ょうである。
「今回はこの4月より始まりました、アニメ『春の夢 気まぐれな王』から、
主人公、ハルナ役のマリア・イールフェンドさんと、御山神助役の西藤貴史さんにお越しいただきまして、
これまでの裏話と、全520話、約10年という超大作に対する思いをまるっと訊いていこうと思います。」
これは遥夢。
「では提供です。
この番組はあなたの生活を陰から支えるお手伝い。LSN リオニスサービスネットワークスグループ各社。
調べ物のお手伝い3Cグループ。イメージ検索ならお手の物。LWTCグループ。
今と過去を同時に感じる温泉へ。神応鉄道グループ
蒼藍星間連邦王国、ラルト王国、アイルーン王国連合、日本連邦帝国、オーファン教国、紅蒼国、フローラル王国。
カナリヤ公国、フェナスキグナス連合王国。
美しい音色とハーモニーを奏でる未来へ。綾小路グループ。
蒼藍星間連邦王国立藍蒼学院ほか236組織の提供で、
蒼藍星間連邦王国藍蒼市第35区のFIB本社スタジオからLSN-FIBがお送りします。」
CMを挟み番組が本格的に始まる。
「はい。始まりました。不知火・コイル&リグゥ Is Cyber Talk With リン酸パレットですが、お二人はこの番組は?」
「え?あ…えっと。何かタイムキーパーの方の時計がおかしな値なんですが。」
「見たことがないしなにも知らないと。」
驚くマリアにため息をつく漫才夫婦。
「夢でした。この番組脇役でも良いちょっとでもでられたらと思っていたんです。それが、ゲストだなんて。」
「西藤さんは……ソウラニアンですか。」
「熱心にご覧になっていたのでしょうか。それはそうと、これから6時間の間、口は動きっぱなしですよ。
トーク、ニュース、トーク、ニュース、トーク、食べる、トーク、ニュース、トークと。」
「無問題です。」「う゛ぇ?そんなに。」
左は西藤。右はマリアだ。
「さて、トークに入る前に改めましてご挨拶。」
「パレットトールサブリーダー兼蒼藍星間連邦王国第三代主師国主国王兼LSN代表統括責任者会長の、
ハルナ・リールシェル・ランゲルハンスです。
この番組内では芸名である不知火を使用します。」
「3Cトータルアドミニスターのコイルです。
それから、蒼藍星間連邦王国第三代主師第三十五代太宰の御山混神だったりします。」
相変わらずの自己紹介である。
「えっと、藍蒼学院藍蒼大学医学部教授の摂津真朱彌です。
リグゥさんことLWTC社長の閃河璃茶さんの代わりさせて貰ってます。」
「パレットトールリーダー及び蒼藍星間連邦王国第三代主師第三十六代長相、
フェドレウス・リン・コンコルド・リンクリス・エル・ラルストム―ジャで
す。」
リンの事務的さは少し和らいだようだ。
「パレットトールメンバー兼、太宰直属特務部隊コイルシスターズって、ぜんっぜん特務じゃ無いじゃん。
えっとそこの、音声解析班所属、ミリロムニス・パル
ス・パンサー・キャトリヌス・エル・ラルストムージャでーす。
「以上五名が当番組のメインMC。そしてこれから自己紹介するのが、サブMC。」
まあいるのは正規、涼子、彌蘭陀の3人だ。
「蒼藍星間連邦王国第三代主師王相補の瑠美野正規です。」
「蒼藍星間連邦王国第三代主師第二百五十六代空官長長官兼第三代情報探索分析主席長官と3Cサブアドミニストレーターの巫剣涼子です。
ところで、実際にはこれどっちに主師の肩書き付くの?」
「蒼藍星間連邦王国第三代主師第三代情報探索分析主席長官!」
なにも力を込めなくても。
「蒼藍星間連邦王国第三代主師第四代天医補佐看護医師の摂津彌蘭陀です。」
「以上!」
これは混神
「え。いつもこんな感じなんですか?」
「そうだけど?あ、次はゲストのお二人ですよ。」
これは涼子。
「春の夢気まぐれな王の主人公、ミヤノハルナ役のマリア・イールフェンドです。」
「春の夢 気まぐれな王ナレーション兼御山神助役の西藤貴史です。」
「はいどうも。今回は、本年度第1回特別編です。」
「どゆこと?」
混神の言葉に食いつく涼子。
「この番組は、元々、不知火・コイルのOS談話というラジオ番組が基礎になっています。
そこで、原点回帰の意味も含めて、今回は、FIBが有する放送回線を全て、当番組に貸していただくことになりました。
各部局の首脳陣もFIBの二大人気番組のコラボレーションに関われるならと快く。
さて。まずは、一番基礎のことを知っていただかなくてはなりませんね。
というわけで4月第一金曜日朝5時に放送された、「春の夢気まぐれな王」の第1話をご覧いただきます。
テレビでは。
ラジオや、インターネット放送などでは、アニメでテレビがつぶれる三十分間、各場面で、元となった、僕たちの日常との相違点や、解説などトークしていきま
す。」
内容はL.C第二十五章を回想として、ほぼオリジナルである。という設定であり、-S上で描く予定は無い。
よって三十分分端折る。
「いかがでしたか?次回のこの番組は春の夢気まぐれな王を1話から12話まで一挙放送します。
それから、ここから特別編です。
当番組のCPと春の夢気まぐれな王の監督が台本とアニメーションを制作するよう指示し、完成した特別編どうぞお楽しみ下
さい。
というわけでもう三十分経過して。
「では、お便りです。じゃあ、真朱彌さんから呼んで貰いましょう。」
「え?私?」
遥夢が頷く。
「じゃあ…あ。」
「え?臨時ニュース?」
スタッフがニュースを持ってきた。
「じゃあリン。」
リンが頷き、原稿を受け取る。
「先ほど、藍蒼標準時で、本日16時25分頃、LTRボルフラント本線―駅と―駅の間を走行中の快速急行列車が、車両故障により緊急停車し、
そこに、後続の特急列車が追突するという事故が発生したとのことです。
この事故により、快速急行列車の後ろ側五両が大破し、特急列車も先頭車が破損したとのことで、
現時点での死傷者は、死者125名。意識不明等の重体者、253名。骨折などの重傷が1635名。軽傷者が725名となっており、
順次救急列車にて、ルーラ総合医療センターへ搬送されているとのことです。
詳しい事故原因については解っていませんが、特急列車の乗客によると、追突の瞬間まで、減速した様子は無かったとのことです。
また、同区間を管轄する、LTRルーラ鉄道管理局に寄りますと、
この特急列車は別の鉄道会社から乗り入れているものであり、保安装置が上手く機能しなかっ
たのでは無いかとのことです。
この事故により、ボルフラント本線の急行以上の列車は、全て運休。
特別快速以下の列車も通常の三分の一の本数で運行するなどし、6235京735億6580万人に影響が出た模様です。」
「死亡とされた方も含め、一刻も早い回復をお祈りします。」
「ボルフラント本線の事故に関連して、
フローリア本線、蒼天線、ボルフラング本線、キグナス本線、スオウ線には最大2時間の遅れが発生しております。
また、神応鉄道、長京電鉄、JR、アイルーン連合鉄道、蒼藍王国鉄道、フェナス王立鉄道にも遅れや、運休が発生しています。
ご利用になる方は十分注意して
下さい。
ボルフラント本線はアイルーン国際空港、ルーラ間が3日間の運休となることが決定しています。」
「死んだ云々も一時の苦しみなんですよ。藍蒼大関係の医療機関にかかればすぐに生き返るしね〜。」
「どあほー。不謹慎すぎるだろうが。」
突っ込む正規。
「確かに不謹慎やな。」
「そうですかね?」
「姉御も徐々にそう言う概念が欠落しますよ。
特に想命の創造主は、死に対して、不謹慎な発言をしても失礼なことだという概念の欠落は早いです。」
創造主は、何でもできるので、不謹慎な発言が多い。
「どうしてや。」
「想命の創造主は、命という概念に関する考えが一般とは異なるんです。」
「えっと。いつもこんな感じなんですか?」
困惑しつつマリアが問う。
「いつもこんな感じだよ。」
これは西藤。
「思ったことを素でくっちゃべることができるというのがこの番組の良いところ。」
「そうだ。ねえ、混神、お便り紹介しながら、国内の主要な舞台を紹介しようよ。」
「「…は?」」
「舞台のモデルになった場所に行って、そこに関連するお便りを紹介するの。」
涼子の提案に少し考え込む一同。
「行きますか。」
相変わらず鶴の一声は遥夢である。
スタジオを飛び出した一行+カメラ三台照明五台音声5人その他諸々。総勢40人の大所帯。
『この後スタジオに戻ってくるまで、出演者の性質上過激かつ、心臓に悪い映像が放送される可能性があります。
チャンネル変えるなら今が最後のチャンスです
よ。』
こんなテロップが出る。
「…回すの?現地到着まで?ストレージの無駄でしょ。移動サブは無いの?全部出払ってるの。どうしよっか。
混神はどう…え?あっそう。到着までCMです。
出発は窓から。」
何故か密着撮影をするカメラマンに尋ねる涼子。一行は階段を駆け上がり、ビルのとある改の窓から外へ飛び出した。
「これは定番ですね―。」
「蒼藍族だからできることじゃないのか?」
正規が突っ込む。
「というわけでー。」
「どういうわけだよ。」
「突っ込みも大変ですね―。というわけで、蒼天宮正門にやってきました―。」
蒼天宮前にある地下鉄駅の側なのでサラリーマンが立ち止まっては歩いて行くというのも、ここは、藍蒼市の東の端っこ。
藍蒼市の東側は、世界有数の超高層ビル群がそびえる、世界最大のビジネス街である。
最も高いビルは、LLCクアッドタワーズ・タワー2で、その高さはルネスティアラの対流圏と成層圏の境目である高度2500kmに至る。
ほかのタワーも高度2500kmクラスである。
ちなみに王国最高峰の神宮山は73250kmの高さがあると言われている。
いるというのは測定要請が出たときに遥夢が、めんどくさがり、非常に制度の荒い方法で測定したためだ。
それでも72000kmとされる。ちなみに72000kmまでが成層圏と言われている。
だって、ベテルギウスの900倍の大きさを持つ惑星を測定するだけでも大変なのに。
っと。話が大幅にずれた。
一行は、正門をくぐり、蒼天宮のロビーに入る。
「お帰りなさいませ。お嬢様。」
主師と西藤にとって、これはもう常識なのだが、王国民でもましてや蒼藍族ですら無い、マリアには驚きだった。
「え?え?え?え?」
「まあ、驚くでしょうねぇ。」
「自己紹介の時に言ったはずなんだけど。」
あきれ顔で言う遥夢と正規。
「ふー。」
「いいのかいな、てかスタッフ!きさんらまでまったりしてどないするん。」
「良いんじゃ無い?撮影とかはさ、こう、自動撮影だし。」
ちなみに、普通の番組ではスタッフの声が入ると取り直しや、カットをするのが普通だが、この番組では、そんな事一切気にしない。
「それではこの後は、…どうしよう。」
「お便り読むんや無いのか?」
この後は省略。
6時間分も描写できるか。
早速公約違反しまーす
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