L.C-S第43章魔導界総主
やっぱりこれがしっくり来る第15話

「「………ッ!」」
「言葉になりませんか。」
遥夢さんの言葉にただただ頷くしかない私たち。SF映画の世界が私たちの目の前に広がっているのだ。
ここは、玉京。遥夢さん曰く、全ての世界の中で最も発達した科学技術が作り上げた芸術品らしい。
とにかく、でかい。
「あれが、司法省。向こうが財務省で、あの高いのが鉄道省。そこにあるのが、航空省。あそこが、医療省。向こうが交通省。保安省と、教育省。経済省と、文 化省。そこが、通信省で、あっちが電脳省と時空省と、外務省と、内務省の合同庁舎。生命省と、呪術省。」
「あのさ今17省教えて貰ったんだけど、いったい何省有るのさ。」
「25省かな。あと、食料省、エネルギー省、宮廷省、娯楽省、資源省、海洋省、港湾省、天象省の8つ。後通信省の外局の郵政庁と、司法省の外局の消防庁と 警察庁。あとは、天象省の外局の気象庁とかがあるかな。」
やたら中央官庁が多い。
「交通に関しても、最低4つの省庁が管轄してるからなあ。交差があるんだよ。たとえば、踏切。交通省と、鉄道省の管轄が交差してるけど実際には鉄道省の管 轄になってる。通信省と電脳省時空省の管轄も重なってたりするんだよなあ。外務省の一部業務も最近、海洋省と、時空省から譲渡されたばかりだ。…で、あれ が、LSN中枢総合統括本部。」
「「へー。え。ええ〜?!」」
「「わかってると思ってたんですけどねえ。」」
お互いの配偶者にため息混じりで嘆かれふてくされる正規と涼子。
「LSNは昔も今もここが本拠地だぞ。」
「3CとLWTCは?」
「あれは王国の企業。LSNは宗国生まれのコングロマリット。」
私たちが居るのは玉京の中央駅。とはいえこれもとても巨大な摩天楼。
目の前にバスが止まる。真っ黒なバスだ。

「パーティ?なんで。」
「知らんば。」
どうしてこう、神と呼ばれる種族はパーティーが好きなんだろうか?
「おい、ヤミー。なんで私の衣装が、全部チャイナドレスなんだよー。」
「だって、前主上の誕生パーティーで、それ着てたじゃん。」
それぞれ8人は入れる控え室のうち、主師が割り当てられた部屋に秋子が飛び込んできた。
「それとこれとは別だー。いつ私のサイズ測ったー。」
「ああ。魔導界の服は使用者のサイズに自動的に合わせるように作られてるから。」
「だから、なんで私が、チャイナドレスなんだよ。」
「すきだろ?」
たったそれだけの理由で決められたのであれば、それは本人にとっても周りにとってもはた迷惑でしか無い。
秋子は呆れ脱力する。
「こんなとこにいたのかー。」
ゴッ!
またもジャーマンスープレックス。これは何なんだ。もう辰也の対秋子用の突っ込みの手段になってるようだ。
「う。あ、あ、か、かかか。ま、また、腰、やった。」「お、俺、腹、う…った…。」
「やーいばーか。」「ばっかでー。」
「うるせー。」
「ばーかあーほどじまぬけー。この後知らん。。」
北信地方で幼少時代を過ごした方なら一度は聞いたはずの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の出だしの節に合わせて歌うからかいの歌。
管理人が知っているのは「ばーかあーほどじまぬけーへんたいたこいかえろちかん」で、ある。
「で?」
「パンツ見えてる。」
「うそ。」
慌てて服を整える秋子。
「説明受けてる途中なのに抜け出しやがって〜。」
「それは食らうわ。」「説明途中なのに抜け出すなら突っ込みを食らいますね。」
さすがに凹むだろうな。
「それにしても、派手なドレスだなあ。」
「派手というか布地少ないというか。昼に食ったニンニクがー。」
「背中の布地無いじゃん。…リンもか。」
「姉御は、チャイナドレス…は良いけど、スリット長いな。」
混神がつぶやきながら涼子を見て黙る。
「どったの?」
「おまえたばこ吸ってたっけ?」
「ん?ああ。これ。疑似たばこ。熱くないでしょ。何かかんでた方が落ち着くしこれからなんか嫌みったらしい親父どもと話すと思うとさ。私は一応、法主だ し。」
「なんですか?そのホウシュって。」
レイが問う。
「宗国独自の官位というか職だよ。瑞穂だったら、総務大臣に当たるかな。ほかには王に当たる総主をつとめる主上。総理大臣に当たる官主のリン。最高裁判長 に相当する、裁主はうち。なあ、正規何だっけ?」
「理主です。法務大臣ないし司法大臣に相当する職です。王国では西官の長に相当するでしょう。真朱彌さんが療主。厚生大臣に相当します。」
「ちょっと!遥夢さん、私の衣装、ひどすぎやない?」
「あ、むっつり鼻血。正規、綿詰めとけよ。」
彌蘭陀は遥夢とリンがチョイスしたドレスを着ていたのだが、それが、なんと言えばいいのか、とりあえずマリリンモンローのあの白いドレスの布地をさらに減 らした物と言えばいいだろうか。Vフロントと言うらしいタイプの水着があるが、それにスカートを着けたようなドレスだった。もちろん背中の生地なんて皆無 である。正面の生地だって、必要最低限で有り、何故、これを遥夢やリンはともかく彌蘭陀が着ているのか男性陣には理解できなかった。まあ、彼女をミラの姉 御と呼ぶ2人はすんなりとそう言う物として受け入れたが、正規は見た途端に鼻血ぶーである。
「なんで私がこれ何?遥夢さんとか、リンさんの方が似合うやろ?」
「「それじゃあ面白みがないですよ。」多分、主上は、ミラの姉御が着るからインパクトがあると思ったんだと思いますよ。この2人だったら、平気で着こなし ちゃって面白みないし。」
「「歩きにくい。」」
履き慣れないハイヒールを履いて愚痴る秋子とレイ。秋子と同じ服を着た真朱彌はというと、控え室のソファに座りくつろいでいる。
「あれ?遥夢さん何処いったんや?」
「今回のパーティーは総主主催ですから、打ち合わせです。もう戻ってきませんよ。」
そうこうしているうちにメイドがやってきて会場の準備が整ったと良い、一同を会場に案内する。一言で言えば、会場は、東京ビックサイト10個分の広さを持 つ巨大な部屋と言えよう。
中世欧州の王宮の大広間を彷彿とさせる建築様式で作られた豪奢な、パーティー会場。巨大な、高さ15mは有ろうかという窓から豊富な日の光が差し込み、大 理石の床には、真っ赤な絨毯が入り口から、総主と裁主が座る玉座まで一直線にしかれている。その両脇には純白のテーブルクロスが掛けられた円卓がいくつも 置かれ、その間で色とりどりの衣装に着飾った老若男女が談笑していた。
「ふと思ったが、蒼藍神族のオッドアイの比率って結構高いんじゃないのか?」
「ああ。両親から力をぴったり整数比になる具合に受け継いでいると目に表れるからオッドアイになるんだよ。リンは特別 だけどな。晶殿下は、主上6に正規4の割合で。全美は涼子7うちが3という感じで受け継いでる。」
「そういえば、流れで、ドイツ帝国の皇帝さんきちゃったんだよね。うちら風呂ってる時爺様達と酒盛りしてたけど。今はあっこで、談笑してら。」
主師勢が呑んでいるのは清酒400という非常に強い酒。
「何かすんごい違和感だよね。地球の全大陸の総面積波の巨大都市を見下ろしながら東國展よりもおっきな所でパーティーって。」
「私、今日のこと思い出したら、寂しさ覚えるかも知れへん。」
「そうだよねえ。あー私こっちで就職先探そうかなあ。」
馬魅がぼそりとつぶやく。
「私は瑞穂から離れられないからどうしよう。」
「良いじゃないか。それでも。偶に帰ってくる友と遊ぶというのも。」
羽魅がウイスキーをあおりながら言う。
立食形式であるがそれぞれテーブルには4から6脚ほどのいすがもうけられている。
そのうちの1脚に真朱彌が座り、五合升で清酒を飲んでいた。その横では、遥夢が、同じ五合升で清酒をあおっている。秋子は早々に潰れ、真朱彌の酔い覚まし を呑まされ机に突っ伏している。
「大学時代の飲み会以来だよな。こんなに酔っ払ってこいつが潰れたのって。」
「いわれてみればそうですねー。」
リンと辰也、彌蘭陀の3人はパーティー会場に散っていた。談笑しているうちに何も知らないボンボンが遥夢や涼子、真朱彌をくどき始める。もちろん、そんな 物が効くわけも無く、冷たくあしらわれ先ほどの話に戻る一同。
ボンボンは今まで負け知らずだったのだろうプライドを傷つけられたのか、一層熱烈に口説く。
「「や・か・ま・し・いちゅうとるに聞こえんのか。」」
真朱彌と混神と珍しい正規のトリプル突っ込みで真朱彌は手に持っていた空の五合升。混神は手近な一升瓶。正規は高級そうなウイスキーの空のボトルを投げ る。
騒ぎを聞きつけ集まってきた参加者に自分たちの被害を説明するボンボン連中。だが、口説いていた相手が、このパーティーの主催者とその近臣ということを即 座に認識した参加者は、近衛兵にボンボン達を、会場からたたき出すよう依頼。これに応じた近衛兵がボンボン達を会場の窓から外に放り出す。会場は、雲海を 遥か下に見下ろす高い岩山の中にあった。もちろん殺す気なんて毛頭無く、窓の外には。腰にロープを結わえ付けられた、度の過ぎた参加者が何人も頭を冷やせ と言わんばかりに雲海ぎりぎりの高さでぶら下げられていた。目測で200mは下になるだろう。もちろん。雲海自体が1000mもの厚さを持ち、さらに雲海 の底から地上まで数万mというから、文字通り腰のロープが命綱。よほどの馬鹿でなければ頭も冷えるという物だ。
「俺もうお腹いっぱい…へ?」
秋子が起きたようで、その一連の動作が遥夢の壺に入る。遥夢の笑いにつられ正規と混神が笑い、次いで涼子と真朱彌が笑う。
「秋子は相変わらずですね。ところで皆さん何笑ってるんですか?」
「なんでだかなあ。」
「遥夢さん、この酒美味しいなあ。」
「そうですね。今日のために特別に用意されたお酒なんです。精米率6割。水は崑崙山のわき水。酵母も天然物で5年かけてゆっくりと丁寧に子供を育てるかのよ うに熟成された酒です。」
今飲んでいる清酒を舌滑らかに語る遥夢。
そうしてる間にも頭を冷やせとばかりにぶら下げられる参加者は増える。入れ替わりとでも言うかのようにボンボンが戻ってきて一息つこうと座ったリンや彌蘭 陀をくどき始めるが、リンに裏拳を食らい、彌蘭陀にめちゃくちゃ苦い粉を固めただけの錠剤を口に放り込まれ黙り込む。
「ここまでやって理解しないって、はっきり言って、何処ぞの3歳児より質悪いですね。」「親の七光りで女口説こうなんてへたれのすることやな。」
「…狩りに引っ張り込みますか。」
「「却下。」」
混神の提案をステレオで下す遥夢と真朱彌。
ふてくされるかと思いきや、懐から、何故か2リットル入りの炭酸のボトルを取り出す
「どうすんだろ。」
涼子が首をかしげている間に手近なところにあったブドウジュースと焼酎それぞれ2リットル入りを一斗升になみなみとなるまで注ぎ、それをものの数秒で飲み 干してしまった。
「なにがしたいんだか。」
「遥夢さん、これなんですか?」
そう言って、レイが遥夢に真っ赤な石を見せる。
「あ、障害盤石。」
「え?」
「は、早く砕くか雲海に投棄して下さい。」
慌てた様子の遥夢とのほほんとしている混神。
「それねえ、障害盤石って行って周囲の電子機器の動作を妨害する光子コンピュータの一種だよ。リトだかリールフェルトだかの両親から普通の盤石貰ったで しょ。あれは、とにかく何でも良いからマザボに乗せれば、強力なプロセッサとして機能するよ。熱も出さないから静だし。ただ、初回起動時に強い光を当てる必 要があるけどね。まあ、430YFlopsぐらいはいくんじゃないかな?あのタイプは密度荒そうだから良くても500YFlopsぐらいだよ。」
のほほんと説明する混神を見てぽかーんとするレイの手から馬魅が赤い石を奪いそのまま砕く。
「まあ、主上が慌てるほどにはならないんだけどさ。このパーティーが終わったら、いよいよブガル皇王の協力の上で覚醒修行に入るよー。」

普段、朝議が行われる、広い部屋の入り口から玉座に向かって伸びる蒼い絨毯の上にレイと敦雅が正座している。その顔は心なしか緊張しているようだ。
髪を結い、正装に着替えた遥夢が、同じく正装に着替えた正規を従え、玉座に座している。玉座は、高い段の上に有りその段の中程に混神が。根元の、遥夢から 見て右に涼子が、左にリンが控えていた。
いずれも真顔である。
「魔導界総主として、ここに宣する。これより、瑞穂の星守、並びに国守の巫女の覚醒の行を執り行う。」
遥夢が部屋全体に響く程度の声量でこれから始まる事柄を告げる。
「崎原レイ、網干敦雅の両名に対する詳細検査を開始する。」
混神さんがそう言うと、部屋の入り口から白ずくめの大人が10人ほど入ってきた。遥夢さんたちを見るとみんな真顔だ。混神さんは眼鏡を外していて、みんな 目つきが鋭いから威圧感が凄い。
徐々に部屋の雰囲気が緊迫した重苦しい空気に支配されはじめ、その中で私は気を失った。
気がつくと、私は、30畳はあるであろう、広い部屋の隅に置かれたダブルベッドの上に居た。
「お、起きたか。あー。しんどかった。待ってろ、今呼んできてやるから。」
秋子さん。といっただろうか、三つ編みが似合う女性が、私が起きたのに気づいて、部屋を出る。彼女の向かっていた机を見ると何枚もの紙や、鉛筆、ミリペ ン。そして、とても巧い絵の数々。
「やあ、気がついたかい?ホットココアだ。飲むかい?」
優しげな青年だ。こちらは辰也さんと呼ばれていたと思う。そういえばあの大きな部屋には居なかったな。
「よっぽど緊張した上に疲れてたんだね2日も寝てるなんて。」
あれから2日も経っているのか。
「お目覚めですか。一昨日はお疲れ様でした。」
リンさんが、声をかけてくれる。
「あれ。リンさん…手がない。」
リンさんが来ていたのは5分袖のシャツ。だから手があって当然。何だけど、手が見えない。
「私は自分の意思で、腕の具現化が可能です。今は必要ないので非表示にしています。」
何だろう。よくファンタジーに出てくる賢者とか神様とかがこんな感じだった気がする。
「あれ、リンさん、ヤミ君から腕出さないときは白衣着ろって言われてなかったっけ?」
辰也がとう。
リンの腕の具現化、わかりやすく例を挙げるとするならば、名作ゲームゼルダの伝説シリーズのうちWiiとGCの両方で発売された「トワイライトプリンセ ス」に登場する7賢者をイメージしていただければわかり易いかと思う。
「白衣洗うから乾くまでこれを着ろといわれました。」
「リン、乾いたぞー。それからいつもの服に着替えとけよ。」
そう言ってたたんだ白衣を入れた紙の箱をリンさんに放り投げ言ってしまった混神さん。
「雲海で游いでみますか?」
「泳げるの?」
「雲海は上部と下部の表層近辺に重力反転層がありその周辺は重力が極端に弱いんです。それに雲海は濃厚な霊素の塊ですから、覚醒修行にも良いですよ。た だ。 雲海内では、霊魚や、雲空魚などが居るので、それを見ておぼれないように。既にレイさんの水着は用意済みです。それから、敦雅さんはまだお休みです。」
淡々と話すリンさんの横で、絵を描いている秋子さんとその横で、その絵になにやら書類をつける辰也さん。訊けば、2人は、会議などの内容を、絵に残し、速 記を活字に起こして2つを1つにして保存するのが仕事らしくその作業をしているらしい。そしてそれは、私が寝ている間も行われていたらしい。
さて、こちらは、遥夢達。
「大学の時の学科一斉卒業旅行は楽しかったですねぇ。路面電車の走る、坂と寺の街広坂。また行ってみたいです。」
そう言いながら、湯飲みを傾ける遥夢。
「ふう。やっぱり、バルト島産の玉露は良いですねえ。」
「とりあえず、今日以降は、神子で行く。」
そう言うと混神は神子の状態に変化する。
「…なんだろう、あんまり違和感がない。」
「正壬はかなり違和感有るけど、神子は混神が地声高い部類だし仕草も結構中性的だからなあ。私としては、それ以上に神子の方が、人の話をスルーすることが 多い気がする。」
「人の話というか、的違いとか、筋違いとか自己中、激しい思い込みやら勘違いを訂正とか注意するのが面倒くさいからスルーしてるのよ。そういうのに労力を 割くって馬鹿のすることじゃん?」
「いや、じゃん?っていわれても。あ、それで話変わるけど、正規の好物って何?」
思い出したように言う涼子。
「それ僕も気になってたんです。」
「確かに今まで聞いたこと無いや。」
「「で?」」
「ビーフステーキ。かな。」
意外と平凡な答えに、固まる一同。
「な、なんだよ。良いだろ?好物と言われて思いつかねえんだから。」
「あ、とりあえず好きなものの中で一番よく食べるものを言っただけか。」
神子の言葉に頷く正規。

昔から游ぐのは好きだったし、外部軍人として空軍に協力する際何故か海軍の訓練に参加させられたこともある。それに、川でおぼれた近所のガキ大将を助け て、通りがかりの消防隊員に弟子にしてくれと言われたこともあった。
「最大でも20m以上潜らないで下さい。重力逆転層に引っかかっておぼれてしまいます。」
リンさんが、常に傍に居てくれるから安心して游いでいられる。游ぐうちに何か判らないけど力が体中に流れ込んでくる気がした。
『霊素流入量規定値の20%で安定を確認。覚醒回路の組み込み用意を行います。』
『りーんー、始まった〜?』
どこからか声が振ってくる。
『200‰かあ。もう70‰あげてみて。それからさ、覚醒回路の組み込みは待って。レイが準備してる奴見たら、どう見てもNASカーネルには対応してない みたいだし。今からじゃ間に合わないでしょ。だからソラにA.Iのインストール管理プログラムセットと、それに関連するいくつかのプログラムセットを組み 込む。」
「でもさあ、その覚醒回路、魔法回路使ってない?」
「「あ。」」
ふわふわと宙に浮かぶ女性三人。リンさんと、涼子さんと後一人、遥夢さんや真朱彌さんたちじゃないし誰だろう?
「今気づいたのかよ。というか、これ作ったの、神子じゃん。」
「あ。そういえば。」
何か聞き覚えのあるしゃべり方。
「あ、そうそう、レイさん見たことなかったよね。この子神子。混神の女性体。」
何か凄いことを聞いた気がするけど、次の話へ進みます。

つづく