L.C第23章 もろもろ
蒼藍星間連邦王国藍蒼市
「魔法省の正規官庁への昇格を申請します。」
「それはもともと混神がいつかあると願っていたことですからね。許可は申請しなくともいつでも出しますよ。」
いくつもの世界が存在する現在、文明が高度に発達した世界は、互いを時空変換ネットワークで結び、一つの国家のように存在していた。
その中核をなすのが創
造界。この世界に住む人々の思いが新たな世界を作り出す。地球もこの創造界の一部だった。
そしてそれぞれの世界には必ず中核となる機関がある。創造界のば
あい、今回正規官庁に昇格し、正式に空官庁の管轄下となった、魔法省である。
…実際には、魔法省は外務省的な役割で本来は国土交通総務省である。
空官庁は最初から七官として設立されたが、その本来の目的は情報管理院を管轄することではなく、同時期に設立された臨時官庁の魔法省が正規官庁に昇格した
際の受け皿である。
「それから神祭庁の省昇格と2省の統合改称を申請します。」
「神祭庁の省昇格後、魔法省と合併し改称ですね。新生官庁の名前は?」
「予定では神政省を」
「神の政ですか。……あ、涼子、新しい省を空官の下に置くので手続きを。」
「え?あ、ああ。」
「それにしてもまさかこうも早く天上界や、魔導界、さらには精霊界などから要請が入るとは思ってもいませんでした。」
「確かに魔導界からは、すでに何度もあったのですが、正式なのはこれが初めてですね。」
そんな二人の会話に正規が質問で割って入る。
「精霊界ってどんな世界だあ?」
「精霊界は、文明発達指数98の世界で、また完全に魔法や霊力が認知された世界だな。」
「ちなみにこの文明発達指数は王国が100です。」
「…天上界。」
「青大央の特別書架にいっぱいあるから見に行ってこい。」
青大央は青玉大門中央高等学校の略称である。そしてここの普通科特別教室棟の東側を丸々使用しているのが青大央総合図書館。その5かいに書架でカモフ
ラージュされた扉がある。
この扉を抜けると、木の板で囲まれた、三つの椅子が置かれた小部屋になる。
その奥には両開きのドアがあり、そこを抜けると、同じ
色のローブを着たたくさんの人間が書架の間を駆け抜けている。
そして、見上げても上が見えず、また部屋の奥が全く見えない。見渡せるだけでも東京ドーム
12個分ほどの広い書庫に出る。
ここが、青大央総合図書館特別書架である。だが本当の名は、国土交通総務省既刊刊行物総合保管書庫という。
つまり国交総省が世界中で今までに刊行された
ものをすべて補完するための書庫と言うわけで、完璧と言えるほどの防腐保管処理が施されており、貸し出しは自由である。
ただし目的の場所に行くのに半日、へたすると1ヵ月かかってもたどり着けるかわからない。そのため書庫には1km毎に休憩室への入口がある。
またその入口
の中間地点には案内所があるし、入ってすぐの受け付けカウンターではナビゲータとインカムを貸してくれる。
このナビゲータは探している本がどんなものかを
利用者の思考から取り出して、その位置と自分の位置、そしてその本の位置から一番近い、貸出カウンターを教えてくれる。
カウンターでジャンルを言うのはお勧めできない。検索してプリントアウトしてもらうと漫画だけで、A4用紙90枚以上の膨大な数に上る。それもシリーズ
名だけでである。
貸し出し状況、全巻の状況などを総合して検索すると漫画だけだでA4用紙150枚以上の数に上る。そのため受付カウンターではナビを借り
ることをお勧めするのだ
そしてもし、この書庫を利用する日が来たらこのことだけは思い出していただきたい。それは、腰パン、などの混神からみるとみっともなく思えるものである簡
潔に言えば、中学の校則でうるさく言われていることである。
「わかったよ。」
「姐さま、精霊界の最高責任者がお会いしたいと、それから天上界も。」
「魔界、妖精界、冥界は?」
「ございません。魔界と冥界は、魔導界総主としての姐さまとお会いしたいと申しておりますが妖精界からは何の音沙汰も。」
「…混神、神政省の人事は?」
「それはリンでしょうに。」
「…そうですね。リン!」
「はい。」
「大臣職に現マーライヤーナ州首の、ラウス氏を推薦したいのですがよろしいですか?」
「…州首を?」
州首は県知事に相当する役職である。州のトップに位置する官職であるが、首都州では相補がこれを兼任する。
また州首には各州に配備された軍の州軍を動かす
権限が与えられているが、階級は総督である。
ちなみに長相のリンは、総総督長である。王国軍は大将の上に提督、総督、総督長、総総督長、総帥の階級があ
り、総督長はコイルシスターズが、総総督長は長相のリンが、そして総帥が遥夢となっている。
「マーライヤーナ州州首、ラウス・エル・ラティオニルです。」
「何をいまさら、あなたが宮内省に入省した時からのなかではないですか。…とまあ、おまぬけは置いといて、貴女を、蒼藍星間連邦王国本国空官庁神政省大臣
に任命します。」
「……はい?」
「いや。ですから、神政省ができたのはご存知ですよね?」
「はあ。」
「あなたをその大臣に任命します。これは国王命令です。」
「またまたぁ。」
「つべこべ言わずにリンのところに行きなさい。リンのところに行ったら3C本社に行きなさい。正式に庁舎が完成するまでの5ヶ月間は間借りですから。」
久しぶりに会った昔の主人に言われたことに戸惑いつつも、しぶしぶ新たな友人のもとへ向かうラウス。
「おはようございます。第36代長相、フェドレウス・リン・コンコルド・リンクリスです。初代神政省大臣ご就任、誠におめでとうございます。
それでは
先ず貴省を管轄する空官長にお会いしていただいたのち、空官庁より関係の書類をお受け取りください」
「リフィルじゃないの?」
「…そですねえ第34代長相は、やることなすこと幼稚なので、捕まえられました。」
リンの言葉に一時固まるラウス
「つまりは、子供だったんですか?」
「会ったことがないから分りませんよね。簡単にいえば、頭と言うか精神が子供なんです。」
「…で、あなたが30…。」
「第36代です。第35代の妹です。」
「で、第35代目が国王の従兄であるから…?」
「はい、王族拘束法の観点からいって全く問題はございません。」
そこに遥夢がやってくる。
「そういえばあなたの次の州首は?」
「お兄様にお願いいたしました。州首としての仕事は把握していたそうですので。」
「この妹にしてこの兄か。」
混神の言葉にラウス以外の人間がうなずく。
久しぶりに訪れた首都の中枢都市。自分がご主人さまと呼んで、今は国主を務められている御嬢様にお仕えしていたころとは全く違う。
聞くところによると御嬢
様は高校を御卒業なされてすぐ町の大改造に着手なされたそうだ。
まず創めたのはこの街を東西八本、南北八本の大通りで、64の区画に区切ることだったらし
い。そして、ごちゃごちゃしていた街を整理された。
そのためどこにも光がさし、犯罪も極端に少なくなったらしい。警察も暇になり、今ではどんな些細なこと
でも積極的に勤めるようになっていると聞いた。
その証拠に王宮への道を尋ねると、親切にナビゲータまで貸してくれた。だが私が一番驚いたのは、この街に来
た日は曇りだったがあるビルは何と雲を突き抜けていたのだ。
その隣のビルも、さらにその奥のビルもである。あとで聞けば半国有企業の本社らしい。リンクリ
ス氏から聞いた話ではLLCと言うそうだ。
それなら聞いたことがある。州都のルーラにも支社があったからだ。私の務めていたマーライヤーナ州は飛び地とい
う環境からか、魔術がとくに発達している。
首都州が行政、カルティアが信仰、ウェンドンが商業、トリネリアが科学、スオウが農業の中心地ならばマーライ
ヤーナは、魔法などの中心地と言えよう。
だが、やはり私は出身地であるマーライヤーナに対し何かしらの劣等感を抱かざるを得ない。我が州は、どうあがいて
もほかの州に勝つことはできないのだという刷り込みがあるのかもしれない。
どれくらい歩いたのだろうか?気がつけば交差点らしき場所に出た。周りには平仮名のような梵字のような文字で書かれた文章を映した、ウインドウがたくさん
浮かんでいる。
その一つには日本語に直すと次のようなことが書かれている。「LLC本部340メルト。」1メルトは100kmである。つまり3400km
先にあるというわけだ。
なぜこんな街中から3400km先に本部を構えるのだろうか。ここに来た時に見た地図では、この街は一辺が8000kmの正方形で
ある。
また表示は直線距離ではなく実測距離である。あとで聞いた話では直線なら1300kmぐらいらしい。
いま私が耳にしているのは、主が歌う歌である。落ち着いた雰囲気の愛をテーマにしたらしい歌である。
――3C本社
ビルの周りはまるでジャングルである。
中に入ると広いロビーがある。ルーラ支社のロビーも広いがこっちには到底及ばない。受付の女性に長相から渡された紙を渡すと、笑顔で、「少々お待ちくださ
い。」と言われた。
するとその女性はしゃがんで、何かを台の上に置いた。
「社長より、この紙と引き換えにお渡ししろと言われておりました、神政省新庁舎の関係の書類です。新庁舎はここから23km先にあります。」
何とすでにできていたのだ。そして教えられた場所に行くと長相がいた。
「ですから、長相はお止め下さい。…普通に……リンと呼んで欲しいです…。」
コイルハウス
「涼子ぉ、卵レンジに入れてくれんか。」
「…まさか、あの爆弾作れとかいうんじゃないよね?」
涼子のいう爆弾というのは高校時代に涼子が開発(?)した、涼子が卵を電子レンジにかけたときのみ、出来上がる、口に入れると爆発するという代物である。
「そのまさか〜。」
のんびりとした様子で言う混神。
「何がしたい?」
「あのロリコンが今度はホンをストーキングしたからね〜。いい加減、お灸を据えてやろうと思って。」
「あ…あはははは。(5分後)こんな感じ?」
塔潤の勤め先
彼の弁当の横にはこう書かれた紙が貼られたタッパーが置かれていた。
『これを食べてみてください。 リン ピュア』
そしてそれを食べたものが口から煙を出して大の字に倒れているのが発見されたのは言うまでもないだろう。
コイルハウス
「本当に大丈夫なの?」
「太飛が、塩かけたらなんとかなるとか言ってたな。…にしても本当にこの爆弾だけはすごいな。」
「…そんなぁ。」
「…まあ斬撃は受けとうないからここら辺でとんずらするわ。」
そう言ってサイバーネットに逃げる混神。
「り〜ん〜、捕まえてー。」
「申し訳ございません。捕獲命令をはじめとするいくつかの命令はマスター以外の方からはお請け出来かねます。」
「…それっていつもあなたが言ってる?」
「はい。誠に申し訳ございませんが我々コイルシスターズはマスターの所有物でございますゆえ。」
神政省本省
「すっかり板に付いたじゃんか。」
「でも、本当によかったのかなあ。お兄ちゃんに任せて。」
「ア、この野郎、兄を信用しないつもりか?」
「そうじゃないよ。本当に私がこんな重職についちゃっていいのかと思って。本当はお兄ちゃんがつくべきなんじゃ。」
そういうラウスの額を兄のラオスが小突く。
「───!お兄ちゃんのは、痛いの!」
「その昔、神が王を選ぶ時代がありました。そしてあるところにそんな風にして、王となるべき少女と、彼女と旅をする青年がおりました。
ある街の宿で、テラ
スから街の様子を眺めつつ青年に自分が王になると聞かされてから抱いていた悩みを打ち明けました。そんな彼女に彼はこう言いました。
『ならない後悔より
なった後悔、やらない後悔よりやった後悔のほうが小さくて済むんじゃねーかな。お前は王になると聞いて分別があるだけ利口だよ。
中にはそれだけで怖気づい
たりして道を踏み外すやつが多いからな。それに、五年後、十年後に立派な王様になれるんだったら今から王様でもいいじゃねえか。
何お前ならきっとできる
さ。お前はそういう奴だ。一緒に旅をしてきたおいらが言うんだからまちげえねえよ。』…つまりだ、その〜なんだろうなあ。」
「なるほどね。ありがとう。おかげで吹っ切れた。」
平安時代 日本 京都
寛弘2年9月25日
安倍晴明がなくなったとされる日の前日、彼の家では、盛大なる宴が開かれていた。
西暦1005年10月5日
皇居、清涼殿
帝に晴明死去の一報が届いた。帝の命で使者が彼の死を確認したが、呪術の素人がそれを見極めるのは難しく、死んだはずの本人ともう二人が隣の部屋で笑いを
堪えていた。
そして、その翌日死んだ筈の大陰陽師からの手紙を、彼の友人とされる、源博雅が持ってきた。そこには公式には昨日の死亡としてほしいと記され
ていた。そして、晴明宅
「師匠も悪い方ですねえ。何十年も仕えてきた御家をからかうなんて。」
「まあ俺はもう仕える者が決まっているからな。」
立烏帽子をかぶり、狩衣を着た優男と長い髪を後頭部のあたりで一本にまとめた女性、そしてのほーんとした感じの男がそれぞれ盃を交わしあっている。
優男は従四位の官位を持ち、後世まで語り継がれる大陰陽師、安倍晴明朝臣である。彼の持っている盃には、貴族だけが呑める米の酒が入っていた。
女性は世界
を統べる力を持ち、神と称される大国の王、ハルナ・リールシェル・ランゲルハンス。彼女が持つのは瑠璃の杯。
そして飲んでいるのは酒と呼べるのかわから
ないような極端に度数の低い、木の実で作られた酒である。
そしてもう一人の男が呑んでいるのは自前の、アルコール度数90度という強い酒である。
「…リ〜ンお前も飲め。」
男が自分の後ろに控える女性を呼ぶ。
「……かしこまりました。」
「そうですよ〜リンも呑まなきゃだめですよ〜。」
「酔ってるな。」
「晴明、晴明。居るか晴明?」
「おう。どうした、博雅。そんなにあわてて。」
「…そこにいるとねっとり来るから気をつけろ。」
その言葉の後、引き攣った博雅の悲鳴が響き渡った。束帯を遥夢が引っ張っていたのだ。
だが、リンが彼女の頭をハリセンでたたき酔いを醒ましていたのだ。
「…っ。頭がまだガンガンするです。」
「まあ徳利を10本空けるほどのんでりゃな。」
「さて行くか。」
そう言って晴明が立ち上がりそれに続いて全員が立ち上がる。
門を出るとそこは駅のホームだった。
「リン、何した。」
「時空変換と座標修正を。」
「で、ルナハの前にいると。」
そんな会話を交わす二人の後ろで一人あわてる博雅。
「落ち着け。お前は一国の王となれるやもしれぬのだ。」
「…どゆこと?」
「リュイと結婚してたでしょう。あの国も王国と同じように国が王を選びますから偽王が殺されたんです。で、リュイが返り咲きというわけですね。」
蒼藍王国では正当なる王系の士族の正当なる王の子息のなかで最も能力の高い者のみが国王となりうるという奇妙な掟がある。
そしてこの掟に反したものが王と
なりうる場合、そのものは原因不明の死を遂げる。
いちばん有名なのは、初代国王トゥーラルの兄王の死である。彼は妹が王に推挙され、認じられたのを妬み妹
を、幽閉、自らが新王だと名乗る。
しかし、それから1ヶ月後幽閉されているトゥーラルを世話していた少女が大慌てで彼女にこう伝えた。「お兄様が海綿と同
一化成されました」と。
二人が現場に駆け付けると、兄王はうつぶせになり血だまりの中に倒れこんでいた。
その後正式に即位したトゥーラルはのちの国王のた
めに現在の王族拘束法を制定、そして3代目に当たる遥夢が即位直後に時代に合わせ大部分を改編、しかし根本的な部分は変わっていないのだった。
「…そうだっけ?」
「ジャグ、思いっきりだきついてやれ。」
混神が言うといきなり博雅が短い悲鳴を上げた。見れば博雅にジャグが抱きついていたが、その手には、長く鋭い爪が伸び博雅の首に当たっていた。
「下手に動けば頸動脈に穴が開くぞ。」
「あれ?皆こないなトコで何してんの?」
「チーしゃんこそこぎゃんとこでなんしてんの?仕事終わりに秋葉かい?」
「珍しくマスターがしっかりと博多弁でしたね。」
「ちゃう!京都にあるLWTCの南東アジア統括局に行くの!秋葉はお預け。で、リン、この書類見てくれると嬉しいんせやけど。」
声をかけてきたのは高校時代の友人で、国際会計士協会の日本代表の春本千雨であった。
「送るもなったら送るお。」
「いや。今はなあんもない。トコでまだポニテの画像集めてんの?」
混神は苦笑いをして涼子はため息をついている。
「あははは合計で465.32PB。1枚50KBとするなら、…めんどいからいいや。」
この時代の大体の平均的な高性能タイプのパソコンの記憶媒体の容量の90%近い容量である。だが、V.C.Pには1台に必ず2台のサーバーが用意されてい
る。
うち1台はV.C.Pが収集したデータを保存するために大量のデータプレートが入っている。
「そういえば今度会った時に渡そうと思ってたやつ渡しとくわ。」
そう言って混神が板チョコのようなものを袖から取り出す。真っ黒な外観である。そしてグニャグニャとしており非常に使いにくそうである。
「データプレート1PB100枚合わせ確かにお渡ししました。」
「100枚って、これ一枚の厚さどれくらいなの?」
「…ア〜2mm?」
「2mmって。ってその前に何で疑問形になるの?」
「測ったことない。大体の厚さ。」
実際には2.5mmなのだが。
「腹減ってきちゃったちうわけや。…お、チョコがあるちうわけや。」
「お〜い、それはさっき渡した奴だぞ。た、確かにビターチョコに見えるが。そこで立ち食いそばでも食ってこい。」
「あ〜、あ?ああホンマや。ども。」
そこまで話した後混神たちは、ルナハ線の改札に、向かった。
ラルト王国首都アリス
王宮前
「だめってどういうことですか!?」
遥夢が大声で門番に詰め寄る。
「本人の確認…」
「リュイ!なんでこんなに本人照合に時間のかかるものを門番に配置したんですか!」
『あはは。宮内の官や兵の配置は、ほっとんど枢機卿に任せっきりだからね。』
「とにかく王夫引っ張ってきてるんですから。」
その時回線の向こうで何やらすさまじい悲鳴が上がっている。
王宮内大広間。
「さっきの悲鳴は何よ。」
「枢機卿の腕と足の骨を真っ二つに折ってやった。」
「ところで二人は完全な親戚なんだよな?」
「正確には3人ですね。おばあ様の5代前のライビスという名の男性が、世界中の各王族と確固たる関係を持つために子供を嫁がせたらしくて…。」
「簡単にいえば昔っから御山家、巫剣家、瑠美乃家、蒼藍王家、ラルト王家の5家は悠久の昔から親戚であるというわけ。」
そのとき一人の青年が駆け込んできた。
「陛下お気を付け下さい。」
「魔獣め覚悟〜…。」
長さが…次章に続きます。