L.C 第39章 どうでもいいこと
3Cは系列企業
45200社、完全子会社200という企業連合体の長的役割を持ち、全世界2500万カ国に支社を持つ巨大多国籍企業であり、ソフトウェア業界における重
鎮である。
しかし、同じ多国籍企業体であるLSNは、それ単体では何の意味もなさない。
LSN
は完全子会社6400万系列企業8650万の全ての社長が社員である。
(注;LSN単体の社員という者は存在せず、各社社長が社員という扱いとなる。ま
た、役員といえ、各社社員がLSN本体の社員となりえることはない。)
また、決算は主要企業である、LTR,LTA,FIB,FCS以外は、「LSNグ
ループ合同決算」として扱われる。企業体の長である会長には、遥夢が就いている。
上記二社と、LWTCをあわせ、LLC 藍蒼三社共同体と呼ぶことが多い。LLCには、総合企業相談役としてリンが、3社の長の上に立つ形となる。
藍蒼に新たな駅が完成した。藍蒼中央である。各階90番線まである。もちろんルナハは全列車停車である。
瑠美乃駅
『本日もLSN-LTRをご利用いただき、ありがとうございます。
この列車は瑠美乃発神宮総合、ルーラ経由フローラ行き、下り列車の特別特急ルナハ一等編
成、ルナハ8888号です。停車駅のご案内です。
瑠美乃を出ますと、神宮総合、藍蒼中央に停車し、高速線に入り、長京までは一般本線とは別の軌道を通過いたします。
途中、アリスセントラル、ルーラに停車
し、長京、オルフェン、カルバス、終点フローラに停車いたします。
一般本線、狸天、アルトマリア、アイルリアアイラス、アイラスタウン、アイルーン国際空港、東京、イルファン地域をご利用のお客様は藍蒼中央、
もしくはア
リスセントラルで一般編成にお乗換えください。
終点フローラまで47時間53分ほどの運行です。2日弱の間素晴らしい列車の度をお楽しみください。
なお、神宮総合と、長京は、19時40分の入線、20時丁度の発車です。
この列車は停車しない駅がございます。ホームの案内板にて、ご確認ください。』
瑠
美乃駅は一言で言えば、田舎駅である。しかし、LTRが乗り入れて以来、空間歪曲工法によって創られた新たなホームに特別特急線が入るようになった。
おか
げで毎日120万人近い出入りがある。市街地もそれなりに発展したが、LTRは、もともとあった駅を建て直しただけで、現代風に立て直そうとはしなかっ
た。
建て直そうにも瑠美乃駅舎を保存するという勅命が下りそうせざるを得ないのだ。
…この前計算したらものすごい高密度運転であることが判明した、特別特急本線。なんと3分半に1本…両端の車両だと少し怖いかもしれん。(一等編成は別
な)
長京市
ここからが本編…前置きが長くなってしまった
「ここが長京だかい。はあ~…田んぼがねぇだよ。」
「だかぁな、データブレードの使用容量をできうる限り減らそうとしてだ、こうな、いじってたら、システムダウンだ。参っちまったべよ。」
一人の若者が田舎の生活に嫌気が差し、大都市にやってきたが、混神と涼子の会話を気にしてしまったことから話は始まる。
「ん?…すいませ~ん。」
「ほ?」
「おら、今日この町にきて、で、NSNってとこにいきたいんだす。でも道がわからなくて。よがったらおすえてくれませんか?」
彼が混神に話しかける。
「NSN?…おのぼりさんか。…名前は?」
「へ、おらだすか?忠泰。芳野忠泰いいます。」
「後学の為に言おう。NSNといったか?一応この第一都心にある企業はすべて把握しているが、NSNなんてない。」
「え。」
混神の言葉に驚く忠泰。
「ねぇ、混神、思ったんだけど、そのNSNって、もしかしてLSNじゃないの?」
「LSN?…忠泰、お前その…NSNのことなんて聞いてる?」
「なんでもでっかい会社だってこたぐれぇすか聞いてねえですだよ。このまつで一番大きい三つ子ビルの一つだって聞いてきただども、みんなおっきくてわかん
ねだ。」
「…確かにそれはNSNじゃないLSNだ。」
混神の言葉に忠保は首をかしげ、
「だどもじさまはNSNだいっとっただよ。」
「聞き間違いだ。この駅には合計で6つの改札口がある。
そのうち、自由通路から見える3つの改札のうち、この善光寺口から入って一番手前の改札を抜けた先
に停車している列車に乗れ、
地下を抜けた最初の駅で降りれば、LSNにつく」
「だども、おらはNSNにいくだ。じさまの言うことに間違いはない。」
「くどい。」
そう言って、混神は、歩き出す。あわてて涼子が付いていく。少し考えた後、忠保も付いていく。
「どこに行く気だ?」
「長京国際。」
「おらもいくだ。」
「勝手にしろ。……げ!涼子、スニーカーに履き替えろ。もうリールが来る。停泊時間は5分だ。
それからそいつ抱っこして連れてけ。こっちは手が埋まって
る。」
確かに混神は、何やら、やたらと荷物を持っている。
「え?忠保・・・だっけ。女の子に抱っこされたことはある?」
「ないだ。はずかしいだよ。」
「うんっしょっと。」
涼子が忠保を後ろから抱き締める。
「3,2,1take off。」
その掛け声とともに、三人が、高速で街の上空を飛び去る。
混
神が涼子をせかしつつ急いで、空港に向かったのには、混神だけが有する能力に理由がある。
彼は、無機質な人工物。いわゆる、「機械」の中に自我といえるも
のを見出し、そこから、その自我を中核とした「人」を見出し会話、意思の疎通ができる。
のちに、リンにもその能力があることがわかったが、二人が見出す
「人」は、全く同じ形であり、混神に対して、心を開いている感がある。
そのため、この「人」が、絡む事柄には、混神が毎回引き出される。
「人化?」
「はい。混神が言っていた、航宙機の、その…。」
「フライター。」
「そう。それが一斉に人化するかもしれないと、リンが言い出したものですから。」
遥夢はそういうと、空間歪曲を開始しろと、航海士に指示を出した。
王国国土交通総務省
『全フライター総人化まであと2時間35分を切りました。』
リアの声が管制室のようなところに響く。
刻々と時間が過ぎ、ついにその時がきた。
「Mr.Coil!」
「おひょ!」
混神が奇声を上げる。
蒼天宮にある、あのスペースと同じように一段高くなっているスペースから下をのぞいて、混神が、
「ビーナ、お前いつからそこにいた?」
混神の視線の先には、リンにそっくりな女性がいた。
「今さっきです。至急ニューヒースローまでお越しください。ニューヒースローにはLTAが乗り入れてませんから。」
「リン、お前、あの状態話したんだな?LTAのフライターに。」
「はい。混乱を避け、迅速な運航を行わせるために。」
「そして、それを行き先の空港に乗り入れている航空会社のフライターにも話せと言ったんだな。」
その混神の問いにうなずくリン。そしてビーナが
「私も一応CIAには乗り入れていますから、JATからも話を聞いていまして、ほかのBAにも話してありますから、
JATとBA内には混乱はありません
が、それ以外のNHA乗り入れ機は…。」
「大混乱か。」
ビーナがうなずく
「で、どうやってきたんですか?」
遥夢が問うと、
「LSNの方にお願いしてこちらのLSNまで転送していただきました。」
「あのお人よしが。」
遥夢が毒づいている間、リンは、ビーナに手を伸ばす。
「え?」
「お疲れでしょうつかまってください。」
言葉に甘えて、ビーナはリンに引き上げられた。
「リン、お前、最大運搬可能重量上がったろ。」
「はい、13Mtに。」
「…CCD6と同じじゃねーか。」
「いえ、CCD6は1.3Mtです。」
ビーナが反応する。
「ほないくかね。」
混神が部屋を出て行き、それに、リンとビーナが付いていく。
パードルナ大陸ヨーロッパ地方ブリタニカ半島ロンドン郊外ニューヒースロー国際空港
その昔、イギリスがこの地を捨てた時、残った者がいた。彼らは打ち捨てられたかのヒースロー空港を改装し、
航宙機が発着可能な形にした。それがこの空港で
ある。街中にある、長京国際とは比べ物にならないほどの巨大さである。
その第2ターミナル。
混神とリンが説明すると、混乱が少しは収まったようだった。しかし、いまだに信じられないという顔のものが多い。そして、
「ありがとうございました。」
「こりゃ報酬がほしいな。」
混神が言う。「とびきりのな。」
「え?」
「安心してください。マスターの言う報酬はあなたの写真です。
あなたが最も美しく映る、仕事中の写真を、とっておきの場所で取る許可のことです。」
「それなら、答えはもちろんYesです。」
フライター人化騒動から3年がたった。忠泰もLSN系列企業に就職した。
3C企画局一般ソフトウェア企画部
「部長、内線36番にお電話です?」
「36?
はい…なんだ兄さんか。で?今回はいったい何の企画よ。……企画違うの?代理?姉さんに頼んでくれ。
…え?姉さん、カルバス?で兄さんは?…わかった。
じゃあ、期間は?1ヶ月ね。…一か月ぅ?馬鹿言わないでくれ。
その間、こっちは…リンさんに任せてあるって。わかったよ。じゃな。」
一ヵ月後、何やらやたらと買い込んだ混神が社長室に戻ってきた。
「何をそんなに買い込んだんだ?」
「リンのためさ。あの馬鹿、ロンドンで呪いを受けてきやがった。呪いは受け付けないはずのリンがだぞ。とんだお笑い草だ。
…なあ、宗介、…これをお前に当
てはめればだ、全美が、3歳のガキにチャンバラで負けて意識不明になるのと等しいことだぞ。」
「…で、そのやたら買い込んできた何かでリンさんの体質を元に戻そうと?」
うなずく混神。
「ただし、これをやるには、「人間」一人分の血がなのよ。」
「…まじか。」
「冗談言ってどないする。」
プルルルルルルッ
どこかに電話をかける混神。
「あ、うちうち。ヤミだよ。混神だよ。同じこと何度もやるなボケ。血液O型のやつ成人男性一人分くれんか?あ、OK?じゃあ大至急3C長京支社にな。」
結局リンは、そのあと混神が、リンに対し、術をかけようとした瞬間に呪いを跳ね飛ばし、輸血用の血液をひったくり、封を解き一気に飲み干してしまった。