L.C-S 第15章 他にする事はないのかする事は

「で、聞きたいことって?」
「蒼藍族は、なんで、そんなに頭が良いんだい?」
この問いに関しては、読者の方に対してはナレーションで対応させていただく。
まず蒼藍族は、哺乳類の猿型目・人型亜目・想像下目・神下上科・下神科・蒼藍属に分類される人間とは異なる生命体である。
もちろん前述の分類からわかるとおり霊長類でもないので、猿の仲間ですらない。
因みに神族は想像下目・神上上科・真神科・玉京神属に分類され、蒼藍属とは違う生命体とされるが、これは人間が定義したものである。
そのため、玉京に保管されている分類学の図鑑には、どちらも神系上科に属し下神科が蒼藍属。つまり蒼藍族。
上神科が神属。つまりは蒼藍王族に分類されており科より下は同系統の生命系統と見なす事が多いため、ほぼ同一の生命体と考えられている。
なお、学名は、蒼藍王国政府の要請に従いつけられていない。
そして、本題だが、侑子が問うた、蒼藍族の頭脳に関する問題であるが、これは、蒼藍族の基本的な能力に起因する。
蒼藍族の基本的な能力とは時空間を自由に操作する能力である。
これにより、頭蓋骨内の空間を無限に拡張する事が可能であり、極端に拡張した場合、リンのように、脳内にアカシックレコードを内包する事も可能となる。
元々脳の80%以上が、個々人の意志に基づく演算を行っている上に生命維持に関する演算を含め、常時稼働率99%であるとする研究結果もあるほどに常にめ まぐるしく脳内演算の優先順位が切り替わっている。
それに加え、腕や首に装着した、補助演算装置の効果もあり、比較的余裕のある生活が可能となっている。
しかし、演算能力が、上昇した場合必要となるのが、神経細胞に供給されるエネルギー源である。
食料が豊富にある環境下では、問題ないが、常時膨大な量のエネルギーを消費し続ける、蒼藍族にとって、エネルギー生産は大きな問題である。
そのため、蒼藍族や神族には、自然界に存在するありとあらゆるエネルギーを活動用のエネルギーとして取り込む能力が備わっている。
また、細胞内のミトコンドリアなどのエネルギー生産回路の活動を一部器官に限定して行う事で、無駄な栄養素の消費を抑えている。
それでも足りない場合はエネルギー生産の過程で、他の物質に変化したエネルギー源を外部から取り込んだエネルギーを使い、還元して体内で再利用している。
これは、酸素やその他、生命維持に必要不可欠な物質の供給にもいえる。
膨大な演算を複数の箇所で同時に進行し、証明までをものの数秒でこなしてしまう巨大な脳を持つ各個の蒼藍族の能力に普通の人間が興味を抱くのも無理もない 事なのだろう。
「というわけですな。」
「へぇ。」
「焼き肉行こうじぇ。」
ここで抗議したのは他でもない遥夢だった。
遥夢は、体質的にほとんどたこやイカを除く動物性タンパク質を食べる事ができない。しかし、最近ハンバーグは大丈夫になったらしい。
「…ビュッフェ?」
「……要は、混神は食べ放題に生きたいんですね?」
うなずく混神に対し、ため息とともにあきらめを示す遥夢
「…なんで、ここ開通してるはずなのに開通してないのよ。」
混神である。バイキング形式の食べ放題のレストランに向かっていた一行だったが、その道の途中で、すでに開通してるはずの道が閉ざされていたのだ。
「スキャン!対象リンクディメンション!」
『現在、モノアクセスモードです。指定空間にアクセスするためには、現在の接続を解除するかマルチアクセスモードへの切り替えが必要です。』
「それぐらい自分で考えろ。」
『これは、OS側からの質問です。私には、聞こえていません。アクセスモードの切り替えは、マスターしか許可されていません。』
「リア、貴様のOSのエディションは、いったい何だ?貴様はいったい何者だ?」
少々混神がいらだちを見せる。
『3clsn-llc.scukgmtm.3cta.lia-ccd3263984-27652 Fedreos-Lia-Liqnuia-Concorde-el-Cyberion OSCode…』
「誰がシステム情報を公開しろと言った。」
「汝はコンコルドの名を持つ者なり。」
こういった遥夢の言葉により明らかに、リアの挙動が変化した。
『我はリア。コンコルドの名を持つ者にして、創造主を模し作られし者。我なすべき役目は電脳の創造なり。我生みしは創造主が第二の御子。』
「そうだ。普通のA.Iには、OSへの直接アクセス権限は与えられていない。
しかし、おまえには、すべてのOSの、すべてのファームウェアのカーネルへの基底コードへの直接アクセス権限、作成者改変権限がデフォルトで付加されてい る。
この言葉の意味はわかっているな?」
『はい。
現在、OS内に規定されている、アクセスモードをモノアクセスからマルチアクセスへ、接続切り替えを手動から自動へ、認識を、打ち込みから自己認識へと変 更しています。
>>>変更が完了しました。
ただいまより、リンクディメンションへのアクセスを開始します。
>>>アクセス完了。設定空間バージョン1395.26.3326.9984です。
このバージョンには、現実空間においてすでに開通し、通行可能な道路が登録されておりません。
日本連邦国土交通省、東都交通局、北浜町交通局への問い合わせの結果、この空間バージョンは最新であり、アップデートバージョンは存在しないそうです。』
「さらに上は?」
『…蒼藍星間連邦王国地官国土交通総務省および、北官時空管制省に問い合わせた結果、当該地域に対しては、すでにバージョン1396.0.0が制作されて おり、まもなくアップデートが始まるとの事です。』
「…さーて。SFCS到着を待ちますか。」
「腹減った〜。」
これは涼子である
「……距離的には、鉄道ふた駅分だし…よし。コミュートライナー呼ぶか。」
リンクディメンションの情報は、人間の脳に音声情報、映像情報を絶えず流し続けるため、リンクディメンションと現実空間つまりリアルディメンションは常に 同じに見える。
しかし、遥夢達が使っている端末に使用されている通信アクセス方式はマルチアクセス。
つまり、インターネット、サイバーネット、リンクネットの三つのネッ トワークに同時にアクセスしている。
そのため、たとえ、リンクディメンションで表示されている情報が、地図に記載されている情報と食い違い、古い情報のままだっ たとしても、
そこは、常に更新され続ける、サイバーネットの地図情報を用いて、リンクディメンションからの情報を補正している。
「涼子、この紙に書いてあるリズムで手を叩いてくれん?」
「え?いいけど。」
渡された紙に従い、涼子が手をたたくと、それに合わせて、混神がホイッスルを吹く。
すると、通勤型車両を模したマスターライナーが現れた。
「これが、コミュートライナー。」
「なにこれ?」
「マスターライナーの一種。」
『バージョンアップデートが延期されました。マスターライナーコミューターへのリンクエンス完了>>>操作権限掌握。』
リアの声に会わせて混神が乗り込みそれに続いて、何の疑いもなく真朱彌と遥夢が乗り込んだ。真朱彌が乗り込んだため、リオナが乗り込むそしてリオルも乗り 込む。
正規と涼子は顔を見合わせて、ともにあきれ顔を見せて、乗り込んだ。最後に残った侑子も、まるで普通に電車に乗るようにさも当たり前の顔をして乗り込む。

翌日 (以下の話はALC第二話とリンクしています。ALCでの晶主観の話も是非ご覧下さい。→ALC 第二話)
「主上〜準備は良いですか〜?」
混神たち3人と、遥夢、正規の二人は別の家に住んでいる。まあ、混神たちは単に借りている家の玄関の空間をいじって、コイルハウスと呼ばれる、混神の自宅 の玄関に繋いであるだけなのだが。
「混神さん、おはようございます。」
「おはようございます。殿下。」
準備を終えて、出てきた晶に対して、深々と礼をする混神。
「その殿下というのはちょっと。」
「まあ、混神が僕のことを主上と呼ぶのと、同じですからあきらめなさい。…さて。お待たせしました。行きましょうか。」
主師6人+王女の7人は別段変装することなく。一般市民が外出するときのような格好。というよりは、真朱彌以外はいつもと同じ普段着を着ているのだが。
その格好で、一番近いインラインスポットに向かう。
長京駅のインラインスポットからコイルハウスへ、そして、そこからリンの運転で、混神の実家に向かった。
「お邪魔しまむし。」
玄関を開けるなり開口一番混神が放った言葉である。
「お久しぶりです。御山家弘美が長男神助、暑中のご挨拶に参りました。また、本日は、蒼藍星間連邦王国第三代主師一同並びに晶姫殿下もご一緒です。」
混神の挨拶を受けているのは混神の父方の祖父であり、遥夢の大叔父に当たる第10〜25代長相の御山俊之である。
「ほんとに久しぶりだな。何してた。」
「仕事が忙しくてこれなかったんだよ。」
混神の伯父や伯母にいとこたちも加わり、賑やかなお茶飲み会が始まった。
「…判定対象にせざるをえぬのかねぇ。」
にこやかに話のはずむなかぽつりとつぶやく混神。
「王族と、王族周辺親縁者の判定に関しては、私か、リールの委託なき場合は一切考えないようになさい。」
リンの言葉に前を向いたまま小さく同意の言葉を放つ混神。
さて、混神の神としての役割である、判定者とは、森羅万象すべての世界の生命体の生涯と寿命をつかさどり、
罪に対しては自らが内に潜む何物にも影響されな い判定の基準で持って、厳正なる裁きを下す存在のことである。
ただし自ら手を下さず、必ず、罪の重い場合は、体の一部を失うことによって償う損償以上の裁きを与える裁定者。
軽い場合は、寛大なる措置と軽微なる裁きで持って、大いなる慈悲で罪人を許す調定者の裁きを受けることとなる。
裁きの内容は、判定者が決定し、部下である2者のどちらかを指定する際にそのどちらかに無言のうちに伝えられる。
そして、2者が、槍か錫杖を振り上げるか、裁定者の場合のみ罪人の頭をつかんだ時に初めて裁きの内容が、細かく罪人に伝えられる
なお、混神が判定者であると定めたのは、裁定者であるリンである。リンの神としての役割は、創造主と、裁定者である。
判定者を裁くのは創造主かそれに準ずる者と決まっている。簡単に言えば、遥夢、リン、真朱彌の三人が該当する。
「…リンとりあえず、今は上着脱いだ方が良いぞ。主上も。暑苦しく見えるから。」
「確かにねぇ。二人とも長袖だし、場所によっては3枚来てる場所もあるからねぇ。」
混神の言葉に素直に従うリン。そして、すぐに浮き上がる。
「あ、おもり代わりか。まあ、いいや。リン、連邦周辺宙域4億3千万GPc上の異常探査。」
「なんで異常探査するの?」
涼子の問いに対して混神は、
「天井まで浮き上がるってことはだね涼子君。リンの体内に膨大な量のエネルギーが蓄積されていると言うことだよ。そのままにしておいたら、呼気に混ざって 高圧縮のエネルギーがはき出されて、急速拡散して、その反動で大爆発起こすよ。まあ、大爆発と言っても半径20000kmのクレーターを作り出す程度だろ うけど。」
「異常は確認されませんでした。」
「やっぱそうそういる訳ないか。」
「なお、無人の高速反応型対消滅エンジン搭載の高速船が、5つの座標点に各一隻ずつ計五隻、セルファ・バリスラインシールド結線装置への直線軌道上に存 在。」
「「は?」」
リンの言葉を理解できた者は一斉にこう聞き返した。
「一定高速度にて進行中。一隻目はただいまより15分後南ルーラ集線点の結線装置へ突入します。」
「リン、制限解除。」
「なお、すべて、通常線を狙っており、連邦より南方です。」
「じゃあ、その方向に拡散無砲身整流砲。」
リンが床に降り立つと淡くリンの左腕が光り始める。光が濃くなるにつれてリンの腕も上がり始める。真朱彌が開けた廊下の窓から庭に降り立ったリン。
「でもさ、何で無砲身なの?」
「暑苦しく見えてしゃあないから。」
「あっそ。」
あっけなく納得した涼子に少々戸惑いつつも混神は、位置を微調整するリンに対し発射のタイミングを伝えた。
タイミングとなり発射された巨大な白い光が消えた後、耳を押さえずにはいられないほどの轟音が響きリンの足下が反動でへこんでいるのが確認できた。
「そういえば、なんで二本鎖なんだろ。」
「え?」
「うちの姉ちゃんたちのDNAさ。うちの親もうちやシスターズも四本鎖なのにあの二人だけ二本鎖なんだよな。」
『『おじゃましまーす。』』
「うわさをすればなんとかだね。」
混神の姉たちの登場である。
「あれ?神助来てたの?」
「来てたもなにも、勅命で運転手だよ。」
それ以降、混神は、姉たちを無視して、話を進めていたが、
「しゃーない調べるか。」
「相も変わらず魚はだめなのか。」
この正規の言葉に立ち上がりかけた混神は盛大にこける。
「しゃあないだろうが。魚の中には「ウオノエ」つって口の中とか体色に同化して体液を吸ってる節足動物の寄生虫がくっついてる場合があるんじゃ。」
「タコイカはいいのか?」
「そこはご心配なく主上が召し上がるものは完全に寄生虫などの不純物を顕微鏡検査を通して取り除いたものだから。」

時は過ぎて、宴が始まり、大騒ぎとなった。
「じゃあ、とりあえず、もらうよ。」
そう言って、混神が姉たちの髪を一本引き抜きリンに渡す。
「それだけでわかるのか?」
「だから何がわかるのかを説明してよ。」
「ん?ああ。姉ちゃんたちがなんで二本鎖なのか。」
ここで、涼子が手にしていたお盆で混神の頭を殴る。
「あほ。そんなんでわかるのは遥夢か真朱彌さんぐらいでしょ。」
「さりげなく、ひどいこと言われた気がするのは気のせいやろか?」
「…まあ、それは気にしないで下さい。わかるというのはお姉さんたちの持っているDNAがなぜ二本鎖。つまり二重らせんなのかと言うことです。」
「え?二重螺旋なのは人間なんだから当たり前でしょ?」
姉の言葉に混神と俊之が苦笑いする。
「残念だけど、この席にいる人の半分が人間じゃないよ。4本鎖DNAだからね。」
え?と言いたげな表情で混神を見る2人の姉。
「姉ちゃんたち2人を除けばうちらも、父さんも母さんも皆四重螺旋DNAを持つ蒼藍族なのよ。」
「でな。原因なんやけど、一応二人ともDNAはちゃんと4本あるんよ。」
真朱彌の言葉に場は静まり返る。
「は?」
「いや。『は?』やのうて、二人ともDNAはちゃんと4重らせん構造なんよ。でもな、とある遺伝子の関係でなDNA染色薬にも電子顕微鏡による走査にも透 過にもおよそ今現在存在しうる、DNAの確認方法には一切反応が出んようになってしもたんよ。」
「不活性化するには?」
「薬は無理やねぇ。その遺伝子が作り出すタンパク質はな、その個体に投与される対遺伝子異常用の薬を一切無効化してまうんよ。」
そう言って、考え込んでしまう真朱彌。
「可能性があると言えば、蒼天の剣やな。」
「医学都市伝説の?」「あの斬られた者は病気やけがが一瞬で治るという?」
「せや。だけど、どこにあるかはわかっとらんのや。」
そう真朱彌が言ったとき、遥夢が口を開く。
「蒼天の剣はアリアカントにありますよ。」
「「アリアカント?」…あ〜。」
一人納得した声を上げる涼子。
「混神、アルリアー・ザンカントだよ遥夢が言ってるのは。」
「…涼子、それを言うなら、アルハ・ザナルカントだがな。」
「「アルハザナルカント?」」
「時空と時空の間に浮かぶ都市さな。魔法が発達した町で、その礎であり守りとなってるのが。」
「蒼天の剣というわけ。」
2人の説明に納得の空気が流れる。
「確かライターナから行けると聞いたことがあります。ライターナの礎である石緋紅を、真の持主たるものが抜くとライターナとアリアカントがつながるという 昔話をおばあ様が。」
「はぁ。姉ちゃんめ。余計なこと吹き込みやがったな。」
「でも、取り出すことができるのはその剣をさした者の子孫。末裔だけ。」
「いってらしゃーい。」
混神が間延びした調子で言う。
「は?」
遥夢が止まる。
「今から狸天まで行くのやだもん。」
「…そうですか。…て、狸天?」
「そうだよな。リン。」
混神の問いかけにうなずくリン。
「どういう意味ですか?」
「ライターナは狸天湖の湖底に沈む都市のことですかんね。」
「…もうとりましたが、いかがいたしましょうか?」
リンが小声で混神にそう伝える。
「何を?」
「蒼天の剣です。」
そうリンが言うと、混神は、
「あっそ。じゃあ、真朱彌さんに渡しとけ。お前が持ってるとろくなことがないかんな。」
とだけ言い、そっぽを向いてしまった。
「ほな斬るで〜。」
真朱彌ののんきな声にGoサインを出す遥夢。
「蒼天の剣に斬られた者はあらゆるけがや病気が治る。」
一般の人にどう説明すればいいかはわからないがおそらく少年サンデー読者にはこう言えば一発で理解してもらえるだろう
「犬夜叉の転生牙と同じである」と。勘違いしないでいただきたいのは蒼天の剣という存在、そして概念は、当時犬夜叉のことをこれっぽっちも知らない状態で 生まれたものであり、
犬夜叉、さらには少年漫画雑誌に関連するいかなる概念とも関連性がないという事を申し上げておく。
何はともあれ、再検査の結果、特定遺伝子の発現は見られず、その遺伝子に由来するタンパク質も確認されず、正確に4本鎖DNAが確認された。
まだまだ宴は続くが、今回はここで区切る事にする。続きが知りたい人は上のリンクから、ALC第二章を見ると良い。

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